2021/09/10
昨年は弁護士のまま亡くなる方が減った?
弁護士が自主的に廃業するという事例に関する整理をしているのは、私だけのようですが、昨年度は、例年に比較すると、廃業者の数が減っていました。
弁護士数の増減という点では、死亡により退会された方の数も調査せねばなりません。このため、死亡されたことにより弁護士会を退会された方の数を自由と正義という月刊誌の掲載から調べてみたところ、2017年は215人、2018人は214人、2019年は219人が死亡ということで退会されたと掲載されていました。2020年になると、172人ということで、大きく減っています。体調を悪くしたということで、弁護士の登録をやめた方が増えたということも考えられないではないのですが、請求退会者の数も、2020年には減っているので、どうもそのような理由で死亡退会者が減ったということではなさそうです。皆さんが、健康に留意した生活を送ったということが原因なのかも知れませんが、正確な理由はわかりません。
ただ、この死亡退会は、母数が増えることに比例して増えることが予想されます。弁護士の業界は、近年急増したこともあって、若年者の占める比率が増えているということがあって、全体の人口増に比例して死亡する人が増えているという現象はまだ生じてはいませんが、もうしばらくすれば、この傾向はでてくるものと思います。
請求して自主的にやめる人が約300人、死亡して退会する方が220人、合計で約500人以上は弁護士数は減るということですから、昔のように合格者500人の時代に戻ったりすると、弁護士人口は大きく減っていくという時代になってしまったということになります。私の試算では、合格者600人でも弁護士の人口は減ることになります。弁護士人口の将来予測にあたっては、廃業者や死亡者の数を考慮に入れる必要があると考える次第です。