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弁護士法人 白浜法律事務所

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白浜の思いつき
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2010/05/29

就職先確保は極めて困難という現状

第63期修習生の第3クールが終わりました。修習が半分終わったことになります。ところが、現在、就職先が決まっている修習生は、半数に満たないのではないかと思われます。極めて厳しい状況です。
第62期までは、弁護士会の担当者が四方八方に手を回して何とか就職先を確保していたわけですが、今年はもはや限界に達してしまった感が否めません。
周囲を見渡しても、採用人数を増やそうとしている事務所はほとんどありません。今後、独立する弁護士が増えることが予想されますが、勤務弁護士が独立した事務所が新たに勤務弁護士を増やすことにも期待できないところが多いようです。
就職後のミスマッチ発覚による事務所移転も増えているように聞きます。この情勢だと、事務所移転もかなり困難になっているものと思いますが、同様な事例は、おそらく第63期以降もかなり発生するのではないかと思います。
そうなると、第64期の就職戦線は、第63期の就職未定者とか、就職はしたもののミスマッチなどのために移転先を探している人との競争にもなりますので、更に厳しくなるように思います。その後も同様に厳しい条件が累積してくるということになりますので、就職戦線は、第64期以降は更に厳しさを増すことになるものと予測されます。
ところが、アサヒコムでは、社会人のための大学院ガイドの中の法科大学院の紹介の中で、就職難は一部の話であって、入学前から心配する話ではないと断言されているようですが、どこを取材された上での記事なのか、大いに疑問を感じます。
弁護士になるための就職状況が極めて厳しいことは現実ですし、これまで述べたとおり、その厳しさは年々増してゆくということはかなり強く予想されることですから、進路選択にあたっては、現場の声をぜひ参考にしていただきたいと思います。

2010/05/23

子どもにも有給休暇のようなものを与えてはどうでしょう

 法曹人口問題の話は、気持ちが上向きにならないことが多いので、久しぶりに完全なお思いつきを述べてみたいと思います。
 私は、今の日本社会は、非効率になってきているように思っています。特に問題と思っているのが、祭日があまりに多いということです。特に月曜日が休みになることが多いため、せっかく他の国よりも早く1日が始まるのに、週の初日から遅れてしまうということになっているように思います。裁判も、月曜日が開廷日ということになると、なかなか予定が合わないので、遅れてしまいがちです。
 私が司法試験の受験生時代に勉強した社会政策の知識によれば、日本で祭日が増えている原因は、日本では労働時間を減らすことが難しく、他の国よりも1人当たりの労働時間が長くなる傾向にあることから、祭日を増やすことで労働時間を減らそうとしたためだろうと思います。しかし、私は、1人当たりの労働時間を減らすには、有給休暇制度の利用促進を図るのが本筋であって、祭日を増やすのは、社会全体を非効率なものとして、国際競争の観点からは問題だと思っています。
 祭日であろうと社会は動いているわけですから、結果的には、休日出勤をせねばならない人が増えているわけで、労働時間が減少しているのは、公務員などのようにきちんとした労働環境が与えられている人に限られていることになっていないだろうかと疑問に思います。企業としては、休日出勤などが増えると結果的に総体的に賃金コストが増えることになって、経営上のコストアップにつながりますし、公務員が休んでいることによって、各種届出などもできないし、証明書等の発行サービスも停止されているということで、仕事が非効率にもなります。結果的に、国際競争の面では不利な立場を強いられることとなります。
 家庭との関係で言うと、祭日は学校が休みになりますから、祭日に仕事にゆかなければならない保護者には、子どもをどうするのかという問題が生じます。結果的に、祭日に子どもを預ける環境がない家庭では就ける仕事も限られることになります。このことは、特に女性に不利に働いているのではないかと思います。また、学校側も、祭日が増えたことで、授業に余裕がなくなっていて、結果的に子どもの学力低下にもつながっていることは否めないと思います。
 となると、祭日は減らして、有給休暇制度の利用を徹底させる、例えば、取得率が悪い企業には課税を強化するなどの方策を採用するのが本筋だと思います。ただ、親が有給休暇をとっても、子どもは学校にいっているということだと、遊びにゆけないということになります。とすれば、親の有給休暇に合わせて子どもも休みをとってもいいということにすればいいのではないかと思います。というか、子どもも法定の有給休暇に相当する日数は休ませなければならないということにすれば、有給休暇の取得率も増えることになるのではないかと思います。
 このようにすれば、日本社会全体の効率性は増すのではないかと思います。どんなもんでしょうか。

2010/05/21

龍谷大学ロースクールでお話しさせていただきました

 5月20日に龍谷大学のロースクールで、ロースクール生の皆さんを相手に、弁護士の過疎・偏在問題の現状について、お話しさせていただきました。
 司法過疎問題は、最近大きく変動している問題です。龍谷大学ロースクールでは、司法過疎問題の解消を、建学の柱の一つと考えておられるということらしく、私のお話にも、熱心に耳を傾けてくれました。
 私は、体系的な勉強が苦手な方なので、実務的なお話以外は、講義や講演などは滅多にしておりませんし、ましてや、大学関係での講演などやったことがありませんでしたので、少し緊張しました。
 私がお話ししたのは、弁護士の過疎・偏在問題は、急激に解消されているということです。つまり、平成22年5月1日現在、いわゆるゼロワン地域は、ゼロ地域が0、形式上のワン地域が5、そのうち2カ所は法人の支所があるので、実質的にも3しかなくなっているということ、これまで弁護士が少なかった県でも、弁護士が急増していて、10年前と比較して200%以上の弁護士人口となっているところも多数あるので、弁護士人口の急増で都市部に弁護士が増えているという認識は誤りであることなど、急激に変化しつつある弁護士の過疎・偏在の現状です。
 弁護士の過疎・偏在問題が急速に改善されている現在、司法過疎の問題は、裁判官が常駐していない裁判所支部が多数あることや、正検事がいない検察庁支部はそれ以上に多いことなど、官側の過疎に焦点が移ってきています。これは、裁判官や検察官の数の増加が弁護士の人口増に比べて微々たるものに留まっていることに主な原因があります。この問題もお話しさせていただいたのですが、ロースクール生にもあまり知られていなかったらしく、裁判官が常駐していない裁判所があるということに驚いている方もおられました。
 以上が概略ですが、今回は、法曹の卵になる方々相手のお話ですから、過疎地域にゆけば仕事があるというのは、もはや虚偽宣伝であって、過疎地域でも経営が困難なところがあることもわかってきているのが今の現状なので、どこで弁護士をするかは慎重に見極める必要があることなどもお話しさせていただきました。
 私は、弁護士が偏在していて、弁護士による法的サービスを受けることができない地域があるようでは、弁護士の法律事務の独占は国民から支持されなくなるということを感じて、弁護士の過疎偏在問題に力を入れるようになったのですが、私がこのように考えるようになったきっかけは、寺田先生が京都弁護士会の会長をされていた頃に、弁護士会で北部の法律相談センターを開設するという話がでてきたときの議論でした。今回、寺田先生のご紹介で、このお話しをする機会をいただいたので、不思議な縁を感じているような次第です。私は、少しでも沢山の人に弁護士過疎偏在問題の現状を知ってもらうことが大事だと思っておりますので、学生の皆さんに熱心に聞いていただいてありがたく思いました。

2010/05/11

タウンページで弁護士を選ぶのは難しいかも

 5月中旬は、新しいタウンページが届く時期です。最近大きく変わってきているのが、弁護士の欄です。正直、よりどりみどりで、私でも、こんな弁護士さんおられたのかとか、こんな事務所あったっけと驚くような状況になっています。
 私は、弁護士登録した1987年にニューヨークなどの見物にでかけたことがありますが、そのときに目にした電話帳の弁護士欄をみて、顔写真がついていたりクレジットカードOKと書かれていたりして驚いた記憶があります。ただ、このときのアメリカの電話帳広告よりも、今の日本のタウンページの弁護士欄の方がカラフルでわかりやすくなっているように思います。
 これまでの弁護士情報は、口コミによる情報が主流で、タウンページなども貧弱で、ホームページも持っていない弁護士事務所が多かったため、タウンページだけで弁護士を選ぶ人は少なかったように思います。
 逆に言うと、著名な事務所とか、優秀な弁護士は、口コミで評判が広がっていたので、業界内部で評価の高い弁護士もタウンページの広告は小さかったりすることがよくあったように思います。このため、業界内部で著名な事務所が、現在でも小さな宣伝しかしていなかったりします。
 つまり、業界内部での評判とタウンページの宣伝からもたらされるイメージは必ずしも一致しないということになってきているわけです。
 加えて、最近の就職難のために、弁護士事務所への就職ができずにいきなり事務所を開業したような経験の蓄積のない弁護士も増えてきているわけですが、そのことは、タウンページなどの宣伝をみただけでは容易にはわからないということにもなります。
 このようなことを言うと、もっと弁護士会で責任をもった広報をするべきではないかとのお叱りを受けそうですが、弁護士の広告も昔と比べて自由になっていますから、弁護士会が個々の事務所の広告の規制を行うことも難しいというのが現状です。
 弁護士を増やして競争させようとしたのが「司法改革」のようですが、結果的に、市民の側にも弁護士選択に関する責任が重くのしかかってきているように思います。
 私としては、こんな事務所を選んで損をしたと思われることのないように、研鑽努力して、口コミ評価を上げるようにするのが一番だと思っています。