遺言・相続あんしん相談室

コラム

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遺産の調査や遺産承継のための手続

先日、遺産処理の関係で、京都市内の都市銀行に赴いたところ、銀行で遺産の調査や預金の解約などの手続のお手伝いをするというサービスがあるとのパンフレットをみつけました。最低料金が100万円(税抜)ということでした。おそらく相当な資産がある方でないと使えないサービスだなと思いました。銀行などに頼まれるよりは、弁護士事務所にお頼みになった方が安くできるではないかとの感想も持ちました。

遺産処理の手続で実務上最も大変なことは、戸籍などの取寄作業です。最近は、地方出身だけれども都市部に生活の本拠がある方が多いですし、兄弟も全国に散らばっている人が多くなっていますから、戸籍の取寄には、郵便などを利用せざるを得ませんので、かなりの手数を要することになることが多くなっています。これを素人の方が取り寄せるのは大変だろうと思います。その手続だけでも弁護士を利用された方が安心だと思います。銀行では、この処理は、委任状などがないと難しいはずですが、弁護士事務所の場合、職権での取寄が可能なのです。

預金の解約などの手続も、慣れた職員がいる弁護士事務所であれば、円滑に進めることができます。

遺産は隠匿されることも多いのですが、弁護士事務所を通じて調査すると、過去の取引の経過まで調べることができます。お亡くなりになる1年前などに多額の引出があったりする例もありますので、不審に思われるところがあれば、調査を依頼されると良いと思います。これは弁護士事務所でしかできない仕事です。

不動産の移転手続も専門的な知識が必要なので、司法書士事務所に依頼された方が無難ですが、弁護士事務所だけでも登記手続ができないわけではありません。

なお、昨年相続税法の改正がありましたので、その施行後は、改正前と比較すると、相続税の支払を求められる方が多くなるものと予想されます。弁護士事務所の場合、税理士と連携しているところが多いので、相続税の支払問題で困るような事例もまずありません。

以上の次第で、遺産の調査や遺産承継のための手続でどうしようかなと思ったら、弁護士事務所に相談されることをお勧めします。

2014年7月 著  弁護士 白 浜 徹 朗

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