2008/12/25
新61期の就職状況
新61期の就職に関するデータは以下のとおりです。
まず、新61期修習の合格者数は、新聞報道によれば、1,710人ですが、過去の再受験組も新61期として扱われるので、法律上正確に言うと、1,731人が新61期の合格者となります。
このうち、弁護士として登録できる日の初日に登録した人は、1,495人です。これは、日弁連のHPの会員専用ページを利用して検索した結果によるものです。日弁連の会員データでは、新修習と現行修習の区別はなく、両者を同じ期とみなす処理がされているのですが、新61期の登録日直前の61期の数が555人でした。登録日の翌朝の確認では、2,050人に増えていましたから、初期登録人数は、2,050-555=1,495人となるわけです。
次に、新61期から採用された検察官は、新聞報道によれば、73人です。
最後に、新61期から採用された裁判官の数は、新聞報道によれば、75人です。
この結果、1,731-1,495-73-75=88人が法曹にはならなかったということとなります。残念ながら、この数字は、私がチェックを始めてから、最高の数字になってしまいました。
新60期については、上記データチェックができていなかったので、正確な数字がわかりませんが(昨年は、このチェックの方法を思いつきませんでした。このようなデータチェックを私しかやっていないことからすると、昨年のデータがないということには、少し責任を感じています。)、法曹にならなかった人に関する59期以降のデータは下記のとおりとなります。このように比較してみると、修習生が法曹にならない比率は5%程度に落ち着いてきたということが言えそうです。しかし、来年は、大企業で赤字に転落するところが続出し、リストラが吹き荒れている中、企業法務を中心としている大手の法律事務所が新人の採用に慎重になる可能性もあるなどの懸念材料もありますから、さらに厳しい状況となることは必至でしょう。採用してもらえたものの、厳しい労働条件となっている事務所もあることも懸念されます。日弁連は、若手弁護士の労働条件の調査を丁寧に行うべきでしょう。
なお、これは、初期登録の数ですから、二回試験合格後に弁護士となる人もいるということは注意する必要がありますが、初期登録ができなかったということは、修習中に就職先がみつからなかったということを示していますので、修習生の就職状況を示す数値としては、かなりの意味があることになります。
59期 27人 2.33%(合格者数1,158人)
現行60期 69人 4.94%(合格者数1,397人)
現行61期 33人 5.42%(合格者数609人)
新61期 88人 5.08%(合格者数1,731人)