2010/03/13
お祈りメール
悲しいことですが、お祈りメールなる言葉があることを知りました。就職ができることを祈念していますなどとして、お断りを入れるメールのことのようです。私も、何度か書いていますが、前途ある方々へのメールなので、文面などにはかなり気を遣いますし、気分がめいるものです。そんなメールをうちのような弱小事務所でも流しているというのが、今の修習生の就職戦線の実情ということになります。
ところで、先日の日弁連会長選挙の結果に対して、一部のマスコミからは「高い収入を失いたくない特権的職業集団のエゴ」などとの心ない非難がありましたが、現実は、最も弱い立場にある弁護士になろうとする人たちに強いしわ寄せがでていて、事務所を経営している立場にある弁護士への影響はまだ小さいものに留まっているわけで、上記非難は完全に的を外しているように思います。
このような悲壮な現状を生み出す原因となったのはロースクールを基盤とした法曹養成システムのずさんな制度設計だと思いますが、その結果生み出された人たちが最初の苦難を味わっているということは皮肉なことのように思います。ロースクール関係者の方々にも、自分たちが送り出した人たちが置かれている状況を改善するにはどうすればいいのかということを真剣に考えてほしいと思います。
上記のお祈りメールがどんな意味で使われているかということや、若い弁護士の現状を教えてくれる記事をみつけましたので、紹介させていただきます。私が見聞きしている新人弁護士の状況とほぼ一致していますから、正確な現状分析をされているように思います。特に、「新人弁護士の質の低下というのは構造的な問題」であるとの指摘は、私のように修習指導委員として司法修習の一翼を担う者には、強い衝撃を与えるものでした。
http://anond.hatelabo.jp/20100311174458