2011/12/19
新司法試験と現行型司法修習
現行型の司法修習は、65期で終わります。この現行型の司法修習を受ける人は、旧司法試験に合格された人を予定していて、新司法試験の合格者が現行型修習を受けることは予定されていなかったと思います。
ところが、新司法試験を合格された方の中に、現行型を受けていた人がいたのではないかと思われる統計データがあるようです。
つまり、新60期以降の現行型修習の修習生の数は全ての期で旧司法試験の合格者数よりも多いようですが、他方で、新60期以降の新修習の修習生の数は新司法試験の合格者数よりも全ての期で少ないようなのです。
これは、新司法試験に合格したけれども、修習に入る時期を若干遅らせて、現行型修習を受けた人が相当数いると考えない限り、説明できないように思います。
理由としては、現行型修習は、東京や大阪などの大都市に限定されていたために地方都市での修習に回されることがないということが考えられるのかも知れません(あくまでも推測に過ぎませんが。)。しかし、66期以降は、現行型がなくなるために、この裏技は使えないことになりました。
なお、この統計データ、特に新司法修習の修習生の数が新司法試験合格者数よりも少ないということは、修習辞退者は昔からいたのであって最近になって増えたものではないということを示すものとして引用されることがあるようです。しかし、この3年の間で、新司法修習の修習生の数と新司法試験の合格者数との差は、比率としても、数としても、増加傾向にあるようですから、司法試験に合格しても修習しないという選択をする人が増加傾向にあることは否定できないと思います。今では、50名を超える人が修習しないという道を選んでいます。
法曹養成の現場の状況の変化は、1年ごとに急激に進んでいます。今後は、法科大学院からの中退が増えるということになるのかも知れません。