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弁護士法人 白浜法律事務所

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白浜の思いつき
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2012/12/14

自主廃業者の増加傾向は更に顕著に

 自由と正義の12月号が届きました。
 弁護士になってから廃業する人が増えているということについて、自由と正義2012年1月号から12月号までの請求退会者を整理した結果について、報告しておきます。
 自由と正義の2012年の1月号から12月号に掲載された請求退会者の合計は、登録番号が3万番以上の人が173名で、昨年の112名から61名増加しました。1万番から3万番未満の人が103名で昨年の101名から2名の増加、1万番未満の人が18名で昨年の16名から2名の増加、合計で294名で昨年の229名から65名の増加となりました。全体の増加率は、約28.4%ですが、3万番以上の方は約54.5%ですから、若い番号の方の退会が急増していることが統計上も、裏づけられたことになります。
 9月号の段階では、全体で300名を上回る勢いだったのですが、最終的には、300名には届かなかったものの、ほぼ300名に近い数字になっていますから、この傾向が落ち着く様子はありませんので、来年には、350名ほどが自主的に廃業するということになりそうです。
 もはや弁護士という職業は資格だけで暮らしが成り立つようなものではなくなったということになるのだろうと思います。近未来予想としては、不祥事に伴う退会命令などによる廃業者が統計的にデータがとれるようなことになるのではないかと心配しています。これまでは、年間数名でしたから、無視していましたが、その統計をするようなことにはならないことを祈ります。

2012/12/10

65期の就職状況は、過去最悪では?

今年も二回試験の発表時期=弁護士一括登録の時期が迫ってきました。
PINE’s Pageさんや、Schulze BLOGさんも紹介されていますが、どうも昨年と比較すると、一括登録を申し込んでいる人が20名ほど減っているということのようです。この数字は、さほど悪くないように思われる方もおられるかも知れません。しかし、Schulze BLOGさんも指摘されておりますように、この数字は、今年は、現行65期も新65期と一緒に二回試験を受けることになっているということを踏まえて考えねばなりません。法務省が公表しているデータによれば、新65期の修習生数は2,001名で、現行65期の数が73名、合計で2,074名ですが、前回の二回試験の不合格者が56名ですから、単純計算で2,130名ほどが二回試験を受験することになります。ただ、体調不良などで修習を終えることができなかった人や前回の二回試験を回避した人、前回の二回試験で三振して受験資格を喪失した人もいますから、正確な受験者数は、合格発表をみないとわかりません。ただ、昨年までは現行64期(下記のデータによると102名ですが、この現行64期の二回試験の際には、新63期の不合格者も受験していたことを考える必要があります。)は別に二回試験を受けていたことを考えると、新64期と比較して20名減っているということは、65期については、一括登録時点で法曹三者にならない人は、かなり増えることになるのだろうと思います。また、私がみる限り、新64期よりも、即独やノキ弁の増加があり、初任給の低下も進んでいるものと思います。そう考えると、65期の就職状況は、過去最悪で年々ひどくなる一方ということになります。修習生と身近に接する者としては、大変つらい数字です。現場の対応ではどうしようもできない状態にあることは、日弁連上層部にはきちんと理解してほしいと思います。
http://www.moj.go.jp/content/000084022.pdf

2012/11/24

笠置山で紅葉狩りしてきました

 笠置山に紅葉狩りにいってきました。前回は、川に沿ってただ歩くだけという感じでしたが、さすがに笠置山は紅葉の名所だけあって、紅葉狩りにはいいところでした。
 まずは紅葉は、こんな感じで、きれいです。今年の関西の紅葉は、全般的にきれいだと思います。
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 笠置山は、大きな岩が沢山ある山です。これは、貝吹き岩と言って、南北朝の争乱のときに、士気を高めるためにホラ貝を吹いていた岩だそうです。
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 岩を岩が支えていたりするところもあります。
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 こんな風に雨宿りできそうななくらいにでかい岩も山道にはあります。
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 アフガニスタンを思い出させるような仏様を象った岩もあります。磨崖仏というそうです。
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 仏様が彫刻された岩もあります。
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 京都と比べると観光客の数が段違いに少ないので、人に踏まれることが少ないためか、落ち葉もきれいだったりします。
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 景色もきれいです。
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 笠置山は、後醍醐天皇の立てこもった山として有名ですが、後醍醐天皇も、ここから幕府軍の攻め上がる様子をみていたのかも知れません。
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2012/11/12

研究報告を終えて

 先日予告しましたとおり、11月10日の研究集会で発表してきました。学者の方が多く講演される中、あまり体系的な整理もできていない私のような者が発表していいのかと思いつつ、がんばって報告書を起案して臨んだのですが、15分しか持ち時間がなかったので、極めてわかりにくい話になってしまったようで、反省しています。修習の現場を知らない人にもわかるような説明をした上で、問題点を指摘してほしいということでしたが、この内容を15分で話すというのは元々無理だったのかも知れません。報告書を書いていますので、これを紹介したいのですが、ブログにそのまま掲載するのは、長すぎると思いましたので、別途コラムで公開することにしました。ご笑覧ください。
 今回の研究集会は、主に法学者の視点から、法科大学院と法曹養成の問題を再検討するというものでしたが、そこで発表された内容は、驚くようなものばかりでした。
 法科大学院を設置するに先立って、事前の市場調査などは全く行われていないことや、現状の問題点を分析した上でそれに対する対応策を検討するという方式ではなく、最初に理念が設定されてその理念に従って構築されたのではないかなど、司法制度を大きく変える変更としては稚拙すぎるものだったということのようです。
 特に、未習者に対する選抜試験では法的な知識などを問うことが許されていないということも根本的なおかしなところだと感じました。こんな制度になっているため、実際に入学してから法的な実務に向いていないと感じて、中途でやめてしまうような人もいるということですし、全く法律の知識がない人も2年目からは既習者と同じ勉強をすることになる、つまりは、法的な知識は十分にできたとみなしてしまうということになっているため、法学部以外から入学した人がかなり苦労しているということになってしまっているようです。法的処理の実務家を育てる学校で法的な知識などを全く無視して選抜するということが、私には理解できません。この制度を考えた人は、いったい何を考えていたのでしょうか。なお、未習者コースは、法学部出身者だが既習者コースに合格できなかった人がかなりの割合を占めているということですから、他の分野から法律家を受け入れるという制度目標からは外れた実態となってしまっているようです。
 そもそも模範としたアメリカのロースクール自体が、お金がない人がゆくようなところでもないなどの構造的な問題をはらんでいたことが何ら分析されていなかったようです。アメリカと同じ判例法の国であるイギリスでは、ロースクールのようなお金がかかる制度は作らなくてもよいという考えが支配的で、実際にもロースクール制度は法曹養成制度としては採用されていないということのようです。
 これでは、まるで欠陥のある制度を輸入して、より欠陥を強めるように構築したと非難されてもおかしくないように思います。その上、現状の制度との接続もうまくできておらず、市場調査さえ行われていなかったというのですから、うまくゆくはずがないことは明らかでしょう。
 なお、河野さんのお話の中で、「今の増員論は、坑夫を増やして穴を掘ればきっと鉱脈にあたるんだと言っているに等しい」というフレーズがありました。まさにそんな考え方なのだろうと思います。しかし、私たちは坑夫ではないし、そんなことのために修習指導をしているわけではありません。若い人たちの人生を狂わせるようなことになってしまっている法曹養成の現状は早急に改めなければならないと思います。問題は、簡単です。まずは、この分野の今の労働市場に合わせて、合格者数を500人程度に限定することです。これは、そうしないと実際の市場の需給関係が改善しない以上、やむを得ないことだと思います。現状のように、水増し合格させたところで、就職できない人が過半数を占めることになる時代は、すぐそこまで迫っていますから、そのことによる弊害がより顕在化するより、合格者削減をする方がまだましだと思います。無責任との非難があるかも知れませんが、法科大学院制度の制度設計よりは、現実に即した改善策ですし、人生選択を誤る若者がこれ以上増えないように強いメッセージを送るためにも、必要なことだと思います。