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弁護士法人 白浜法律事務所

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白浜の思いつき
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2011/01/01

2011 初春号 vol.7 白浜法律事務所報

芳春のご挨拶
寒椿が鮮やかな花を咲かせる季節、事務所報第7号をお届けします。
白浜法律事務所は、この春、開設20周年を迎えます。また、長岡京事務所もすでに2年目に入り、2拠点の連携は、より確かなものへと高まりつつあります。
もっと身近な存在でありたい。そんな願いとともに今後も取り組んで参りますので、どうぞご期待下さい。

 

 

筆界特定の仕事もしています

弁護士 白浜徹朗

私は、筆界特定委員という仕事に就いて法務局の仕事のお手伝いをしています。この仕事は、法務局で行っている筆界特定手続に関して専門家としての意見を述べる仕事です。土地の境界をめぐる紛争の解決には、境界確定訴訟という訴訟手続と、筆界特定手続という行政手続があるわけですが、私が関わっているのは、後者の行政手続ということになります。
土地境界は、私的なものではなく、公的なもので、隣接する当事者の合意だけで決めることはできません。通常、境界を明示する場合には、筆界確認書というものを当事者間で取り交わすことが多いのですが、これは、土地所有者間における合意があるということを示すものであって、これで取り決められたからと言って、土地の境界を移すことは理論上はできません。最終的には、地図訂正ということで、法務局で承認してもらう必要があります。この当事者間の合意ができない場合には、上記の訴訟手続か筆界特定手続で、境界を決めてもらうことになります。
この点、私は、最近、境界確定訴訟よりも、筆界特定手続をよく利用しています。筆界特定手続は、専門的な研修を受けた登記官が、同じく専門家である土地家屋調査士と協議しながら、行政機関に残っている資料なども収集して比較検討した上で、何度も現地を実地検分して判断している点で、安心できるように思いますので、まずはこの手続を先にした方がいいと思っているからです。
但し、この制度は最近施行されたばかりということもあって、事務処理の経験の蓄積がまだできていないためか、結論がでるまでに少し時間がかかるかも知れないということと、主には測量のために多少費用がかかるということをご理解いただく必要があります。また、筆界特定は行政手続ですから、この判断に不服があれば訴訟ができます。訴訟をした上で、筆界特定手続で争いし直すことはできません。境界確定訴訟をするために筆界特定手続を経ないといけないという手続的な規制はありませんが、逆の手続が採れないということは理解しておく必要があります。
また、法律のミニ知識として、土地の境界問題については、簡易裁判所の調停を利用した話合ができないということも覚えておいた方がいいでしょう。境界は公的なものであるため、民間人と民間人の間での話合である調停をすることは許されないという理論的な問題があるためです。もっとも、私は、ちょっとしたテクニックを使って、主には土地境界をめぐる紛争であった事件を調停で解決したことがあります。このように弁護士による紛争解決はアイデア勝負という性格もありますので、弁護士として解決手法の手法に関する知識をどれぐらいの幅と深さで持っているかということが問われます。
そんなわけで、私は、現在、筆界特定委員として、筆界に関する実務的な勉強と経験を積ませていただいております。土地境界のことでお悩みの場合は、一度ご相談下さい。

 

 

海老でタイを釣る

弁護士 遠山大輔

何を隠そう、私は中学3年まで釣りバカ少年でした。毎週のように球磨川や八代港に釣り糸を垂れていました(私は熊本県出身です)。お年玉や小遣いは全部釣り道具に消える始末で、親から購入を禁止されたこともありました。特にコイ釣りへのこだわりはすごく、サツマイモを自分で蒸かして裏ごししてエサ(芋ようかん)を作り、仕掛けも全て手製でした。冬でも朝6時から出かけ、暗くなるまでやっていました。大きな野ゴイが釣れたときの喜びは格別でした。
昨年、この釣りバカ魂に再び火がつきました。お世話になっている他の事務所の事務局の方が、初めてのタイ釣りで74センチの大物を釣られたとのことで、写メを見せてもらったのです。タイの引きの強さ、引きのリズムなど、釣れたときのお話しを聞いていると、居ても立ってもいられなくなりました。早速にお願いしてお知り合いを紹介していただき、タイ釣りに連れて行ってもらいました。仕掛けは釣り針だけという「フカセ釣り」を初めて体験しました。ビギナーズラックで64センチのタイを筆頭にあれこれ釣らせてもらいました。タイの引きは本当に面白く、のめり込んでしまいました。帰って釣り竿とリールを早速買いました。しかし、船頭さんの言うとおり、が一番なのでしょう。その後も2か月に1回くらいのペースでタイ釣り、イカ釣りを楽しんでいますが、なかなか大物は上がりません。それでも、一日中海に釣り糸を垂れるだけでも気分がリフレッシュするものです。もちろん、80センチオーバーのタイが釣れれば疲れは一気に吹っ飛ぶのでしょうが…。

 

 

研修の講師

弁護士 拝野厚志

1.講師の依頼
弁護士になってから、様々な分野の方から研修の講師を依頼され、法律について講義をさせていただくことが何度かありました。私が、高齢者・障害者支援センター運営委員会と言う、成年後見等の問題を検討する委員会に所属している関係から、高齢の方の財産管理や成年後見、遺言等についての研修の講師をさせていただくことが多いです。 私自身、人に何かを説明したり教えたりすることは嫌いではないですし、自分自身の勉強にもなりますので、依頼があれば、時間が許す限り、積極的に引き受けせていただいております。

2.準備の苦労
とは言っても、依頼があってから、当日までの準備は苦労します。
私自身は、学生時代、ケースを使いながらの授業が分かりやすく、退屈もしなかったことから、同様にケースを使ってお話しさせていただくという講義スタイルを主としてとっております。
そのため、準備にあたっては、どんなケースを使えばよく分かってもらえるか、受講者の方が直面されるケースや問題点は何か、講義の当日まで、頭を悩ませることになります。
また、受講生が何らかの専門職の方が多いことから、実践的な内容になるようにも、気をつけています。法律は実際に使えてこそ役に立つものですから、手続き等についても出来る限り、説明させていただくようにしております。
さらに、何かのお土産(受講後、各職場に帰られてから職場で使うことができるマニュアル、チェックシートなど)をレジュメとともに配布させていただくことも心がけています。

3.ポリシー?(指名はしない・冗談は言わない)
私は、質問をして、受講生の方を指名し答えてもらうことはしません。
指名によって緊張感を保たせることができると言われる方もありますが、そのような恐怖政治のような講義は私の好みではありません。内容面でこそ皆さんを惹き付け、集中してもらうというのが私の方針です。
また、冗談についてはうけた試しがありませんので、諦めて、冗談も言わない方針です。ただ、事実を淡々と説明しているところで急に笑いが起こることもあり、笑いをとるというのは難しいものです。

4.抱負など
以上、色々書いてきましたが、講義をさせていただく度に、あれこれ不備があり、自分でも反省すること仕切りです。
ただ、受講後のアンケートに「分かりやすかった」との感想が書いてあると、とてもうれしくなります。その一言で準備の疲れも吹き飛びます。いずれ、パワーポインターなどの今時のものを使った講義もしてみたいと思っております。
(本稿は、京都弁護士会のホームページ内の「はい!こちら京都弁護士会です」というブログに掲載されたものを加筆修正したものです。そちらも是非、ご覧下さい。)

 

 

時代の要請?

弁護士 里内 友貴子(旧姓 細川)

弁護士になって3年目に入りました。これまで多様な案件を担当させていただいていますが、最近、複数の企業から、不当なクレーマーへの対応について、ご相談いただく機会が増えています。
そもそもクレームというのは、お客様が商品やサービス等に何らかの不満を感じられるために生じていることがほとんどです。企業は、そのような正当なクレームをきっかけとして、従来の商品やサービスをより改善・向上させることができますから、企業にとってそれは宝の山ともいうべきもので、クレーム内容(ありがたいご指摘)には真摯に耳を傾け、誠実に対応しなければならないことと思います。
しかしながら、ほんの一握りですが、明らかに理不尽な要求である不当なクレームもあります。例えば、クレームの原因自体が存在しなかったり、そのような原因があっても過大な賠償金を要求したり、あるいは企業の業務妨害に及ぶような異常な抗議態様を行ったりする等です。不当なクレーマーに対しては、企業側がいくら「お客様にご納得いただけるまで誠心誠意対応する。」といった方針で臨んでも、解決に至らないことが多いです。なぜなら、不当なクレーマーはそのような企業方針を逆手にとって、自分の要求が通るまで繰り返し対応を迫るので、いくら企業側が丁寧に順序立てた説明を尽くしても、合理的な話し合いにならず、堂々めぐりになるからです。このような場合、解決に至らないばかりか、企業担当者の貴重な勤務時間が削られて他のお客様への対応が不十分となったり、対応する企業担当者の精神的負担が深刻なものとなったりする等、却って企業がクレーム被害を受けることもあります。
そこで、不当なクレームについては、法的措置に切り替えることが重要です。一般的には、要求には応じられない旨明確に伝えることからスタートするでしょう。その際、予め当該クレームに具体的に沿った法的アドバイスを受けておけば、企業担当者自身安心して、不当なクレーマーに対して法的解決をふまえた受け答えができるようになりますし、また裁判所や警察に対して仮処分の申立手続や刑事手続等迅速に採ることも可能となりますので、多くの場合、企業は前述のクレーム被害を回避することができます。
昨年を振り返り、このようなクレーム対応案件を担当させていただく中で、改めて弁護士が必要とされる分野とは、裁判所の訴訟事件に限るものではなく、多岐に亘ることを実感しました。今年も、企業活動や市民生活に密着するあらゆる場面において、弁護士として問題解決のサポートをさせていただきたいと思います。

 

 

長岡京での一年を振り返って

弁護士 青野 理俊

1.長岡京での1年が経ちました
長岡京市に当事務所の支所が設立されて1年が経ちました。私は支所が設立されると同時に当事務所で勤務を開始いたしましたので、私の弁護士人生の1周年でもあることになります。
この一年間を振り返ると、長岡京事務所の看板を見て相談に来られた方や、タウンページを見て相談に来られた方がいらっしゃいました。速やかに法的手続を執るべき事案もありましたし、法的アドバイスのみで問題が解決し満足して頂いた事案もありました。そのように相談に来られた方から「どうも有り難うございました」と言って頂けた時は、当事務所が長岡京市に支所を出した意義を実感すると共に、私自身、弁護士になって良かったなぁと思いました。

2.当事務所には強みがあります
長岡京市での1周年を迎えた当事務所ですが、京都市内に本所を置いていることの強みがあります。それは、すぐその場で迅速に資料を集められることと、急いで法的手続を執るべき事態にも対応できることです。
例えば、紛争の相手方の資力を調べるために、相手方の住所地や事業所の所在地の不動産に担保を付けられていないかを確認する必要が出てくることがありますが、そのような場合、京都地方法務局のすぐ近くにある本所と連携して、対象不動産の登記簿謄本をご相談に来て頂いたその場ですぐに調べることが出来ます。
また、当事務所は、本所と支所をネットワークで繋ぎ、作成した書面のデータを共有しておりますので、一両日中に保全処分を申し立てる必要がある場合などにも、裁判所のすぐ近くにある本所から直接申し立てることができ、迅速な対応が可能となっております。

3.私はこれからも走り続けます
話は変わりますが、私は最近マラソンを始めました。とは言ってもハーフマラソンを数回走った程度ですので、まだまだ初心者と言ったところですが、フルマラソンに挑戦することを目標にトレーニングを積んでおります。
長岡京での1年は、私の弁護士人生をマラソンに例えますと、まだ最初の1キロ地点を通過したところに過ぎません。最初の給水ポイントにも辿り着いていないことになります。当事務所ならではの強みを活かし、長岡京市の方々に長くご愛顧いただけるようトレーニングを積んで走り続けたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

伝える技術

事務長 田村 彰吾

二人の子供に恵まれ、時間の許す限りおむつを替えたり、食事の世話をしたりと妻と共に奮闘しております。特に1歳になったばかりの下の子はまだしゃべれませんから、食事の世話1つとっても、もっと欲しいのか、もう飽きてしまったのかよく分からず、いつも戦場です。言葉は重要なコミュニケーションツールなのです。
ところで、数年前こんな出来事がありました。ご依頼で公証人役場で契約をするため「○日2時に公証人役場で」と予約を取り、お客様とは当日役場前で待合せをお願いしたのですが、当日2時前に、少し遅れそうだ、とご連絡を頂きました。あわてて役場に事情を説明し、15分ほど遅れそうだと伝えていたところ、2時15分頃、お客様は当所にご来所されました。急いで役場へ向かっていただくようお伝えしたのですが「そんなことは聞いていない」とお怒りです。移動しながらも何度もご連絡いただいており、その都度、直接役場へと伝えていたつもりだったのですが、お叱りを受けたので思わず「何度もお伝えしたはずです」と反論したところ「いくら伝えたつもりでも相手に伝わってなければ、伝えていないのと同じや」と諭されました。全く、お客様の言うとおりです。結局25分遅れで契約は無事締結できたのですが、私は終始、先に頂いた言葉のことを考えていました。
私たち法律事務所は、「伝える」プロでなければなりません。お客様に対しては必要な情報が何かをお伝えするために、相手方には何がトラブルの原因なのかを伝えるために、そして事務所内では事務職員が皆様からからお聞きした情報を正しく弁護士に伝えるために、また、弁護士はどう処理をすべきか正しく事務職員に指示するために、求められる「伝える技術」のレベルは一般のそれよりも高いと思います。ただ伝えるだけでは足りないのです。伝える内容、相手が情報に接する状況、伝える為に必要な工夫、言葉づかい…様々なことに留意して、はじめて私たちは「伝えた」ことになるのかも知れません。
先の例でも、お客様は、私も同席すると思ってらっしゃいました。あわただしい移動中にご連絡を頂いていたのですから、私が同席しない旨をお伝えすれば、直接役場へ向かうことが「伝わった」のかも知れません。言葉だけが「伝える技術」ではないのです。私が法律事務職員になって10年、事務長職に就いてからも5年が経過しましたが、今でも悩み続けています。そして、先のお客様の言葉が、今でも鮮明に頭の中で繰り返されています。伝える技術は奥が深いです。

2010/01/01

2010 初春号 vol.6 白浜法律事務所報

これまで弁護士事務所は、裁判所のそばで開業し、ご相談には裁判所近くの事務所まで足を運んでいただくことが一般的でした。結果的に、弁護士は市民のみなさんから縁遠い存在となり、弁護士の過疎偏在という問題にもつながっていたように思います。
特に乙訓地区は、約15万人もの人口を抱える地域でありながら、弁護士会の相談センターもなく、弁護士への相談は、京都市内または大阪市内まで出向いていただくほかない状況が続いておりました。
私たちは、このような状況を少しでも改善し、弁護士がもっと身近な存在になればと考え、長岡京の地に支所を開設することといたしました。
これからも市民のみなさんのよき相談者として、問題解決のお手伝いをさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

新しいスタートです

弁護士 白浜徹朗

昨年は、長岡京に支所を開設することができました。私は、弁護士が裁判所のそばに事務所を構えてお客様には事務所まで来てもらって仕事をするというスタイルには昔から疑問を持っておりましたので、長年の夢がようやく実現できたという感じです。長岡京事務所は、昨年12月15日に開所式をさせていただき、翌16日から執務を開始しています。乙訓地区は、人口約15万人を抱える地域ですから、この地域の皆様が弁護士という職業に対して不快感を抱かれるようなことがないよう慎重な対応が求められるとの自覚の下に、長岡京事務所では本所にも増してより丁寧な仕事をしてゆこうと考えております。
同事務所に所長である私と一緒に赴任してもらう青野理俊(まさとし)弁護士は、昨年12月18日に弁護士になったばかりの弱冠26歳の新進気鋭の弁護士です。青野弁護士は、私が育成に関わることになる9人目の弁護士ということになりました。同弁護士は、京大で居合道部の主将を務めていたということで、登録初日から仕事に取りかかるなど、職務に真剣に取り組んでもらっています。長岡京事務所同様、青野弁護士にも、暖かいご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。

 

ごあいさつ

弁護士 青野 理俊

初めまして。新人弁護士の青野と申します。
私は、この度、弁護士法人白浜法律事務所の長岡京事務所におきまして、弁護士としてのスタートを切ることになりました。皆様どうぞ宜しくお願い致します。
私は、神戸で生まれ育ちましたが、京都大学法学部に入学とともに京都に移り住み、ロースクールも京都大学、司法修習も京都配属でしたので、26歳となる現在、かれこれ8年間京都に住み続けております。そのため京都は第2の故郷となっておりまして、是非縁のある京都を支える弁護士になりたいと思い、京都で弁護士登録を致しました。
私の特技は、大学入学してから今も続けている居合道です。居合道とは、袴と刀を身につけて演武をする武道です。私の修練する流派「伯耆流」の始祖片山伯耆守藤原久安は、「武は矛を止めるのではなく、矛が止むのである」を武道の理念としました。これは、武道の本質は戦いに打ち勝つことにあるのではなく、戦いを知ることで戦わずに済ませることにあるという、平和への願いです。この「矛止」の精神は、紛争を解決するための知識や経験を積み重ねることで将来の紛争を未然に防止するという、弁護士の果たすべき役割に通じると考えています。
居合道から学んだ「矛止」の精神をもって、お客様のサポートに誠心誠意尽力して参りたいと思っております。もとより未熟者でありますが、宜しく御指導、御鞭撻の程、お願い申し上げます。

 

人を裁く資格とは?

弁護士 遠山大輔

ついに裁判員裁判が始まりました。京都でも昨年10月に1件、12月に2件が実施されています。私も既に1件、国選弁護人として担当することが決まりました。
さて、マスメディアでは、裁判員となった市民の感想のほかに、裁判員が証人や被告人にどんな質問をしたかが詳しく報道されています。裁判員の発言の中には、質問ではなく、意見を述べたり、被告人を諭すものもあるようです。判決後に「声明」が発表されたケースもありました。このような裁判員の「発言」はどのような意味を持っているのでしょうか。
私は、人を裁く人は、裁かれる人によって「裁くことを許される」必要があると考えています。裁かれる人が「あなたに裁かれるなら本望だ」と感じなければ、その人に対する真の意味での裁きにはならないのです。裁判員の方々は、事件と被告人とを真剣に理解しようと努力された上で、意識するかどうかは別として、「裁くことを許されたい」と感じ、言葉をかけるかたちで、被告人に自分に対する理解を求めているのではないでしょうか。「声明」についても、事件と被告人とをよく理解した立場から、例えば被告人と社会とのつながりに一役買うかたちで、あるいは社会に問題提起するかたちで、事後的に「裁く資格」を確認しようとしている、私にはそう感じられます。もし、裁判員を体験されたら、是非感想をお聞かせ下さい。
裁判員裁判に関連してご報告しますが、共著「入門法廷戦略-戦略的法廷プレゼンテーションの理論と技術」を現代人文社から出版しました。刑事弁護活動一般の発展に少しでも寄与できればと願っています。

 

 

将来の備え

弁護士 拝野厚志

1.私は現在、京都弁護士会の高齢者障害者センター運営委員会のうちの財産管理部会に所属しています。同部会では高齢者の方の財産をめぐる法的問題や処理のあり方の検討等をしております。そのせいか、遺言や相続をめぐるトラブル、高齢者の方の財産管理の相談をよくお受けします。

2.遺言によって、お持ちの財産をどのように分配するかを予め明確にしておくことは後々のトラブルを防ぐことになります。また、財産管理についても、将来、財産を十分管理できなくなる場合に備えて、信頼できる方に将来の財産管理をお願いしておかれればご自身にとっても周りの方にとっても安心です。当事務所でも任意後見契約をはじめ、司法書士や税理士とも連携をとりながら、事務所全体できめ細かく財産管理のサポートをさせていただいておりますので、お気軽にご相談下さい。

3.今年は、高齢者虐待アドバイザー研修を受講することになっており、また、白浜所長とともに京都弁護士会の遺言相談センターの相談担当として登録させていただいております。今年も高齢者の方の法的サポートに力をいれていきたいと思っております。

 

弁護士の情報収集手段

弁護士 里内 友貴子(旧姓 細川)

早いもので、弁護士になって1年が経ちました。着任早々から、様々な事件を担当させていただきましたが、その中で特に思うことは、情報収集の難しさです。情報(証拠)が手元にないために不利な立場にたたされることは、本来あってはならないと思うのですが、「あの資料があればなぁ」と悔しく思うことが少なからずありました。
弁護士が証拠を集める手段のひとつに弁護士会照会制度があります。これは、弁護士会を通じた照会に対して回答を求めることで資料を収集する制度で、人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の職務の公共的性格に鑑みて、弁護士法によって認められています。裁判所による照会である調査嘱託や検察官による捜査関係事項照会と同趣旨の制度であり、公的機関である弁護士会から照会を受けた照会先は回答義務を負っています。しかし、照会先によっては、この制度を誤解され、回答を拒絶されることがあります。私は、京都弁護士会「弁護士法による照会」委員会に所属し、回答を拒絶したところへ、京都弁護士会として抗議申入を行う活動に参加しています。この活動によって、多くのところが回答に応じてきますので、弁護士会照会制度の実効性は高いものです。今後も、この活動を通じて、私達弁護士に対する皆様の期待に応えるべく、がんばろうと思っています。
ただ、もとより、証拠等資料をお持ちであれば、法的問題の解決が一層正確かつ円滑にすすむことは言うまでもありません。大事な取引等については、念のため、関係資料一式を保管されると共に、ご相談の際には是非それら全てをお持ちいただければと存じます。

 

 

支店の開設

事務長 田村 彰吾

このたび当所は、京都府長岡京市に一般の会社の支店にあたる従たる事務所を開設しました。法律事務所が支店というと違和感を感じられる方もおありかと思いますが、弁護士法の改正で法人化した弁護士事務所は支所を出すことが出来ることとなり、平成20年12月から法人化していた当所も、支所を開設する運びとなりました。
かねてより所長白浜は「身近な法律サービスの提供」を目指しており、また弁護士過疎偏在問題対策活動も積極的に行っていたところでしたので、今回の支所開設でまた一歩理想に近づいたものと自負しております。
支所設置にあたっては、たくさんの方のお世話になりました。中でも、支所開設で皆様にご不便をおかけすることがないよう主事務所との連携をとれるかについては、多くの方のお知恵とお力をお借りしました。もちろん、これからも改善に努めますが、現時点でも主従事務所の連携は業務に支障がないレベルまで整ったと確信しております。
当面の間は、支所に所長白浜も常駐し、地域密着の法律サービスの実現に邁進していきますが、本所では、私が事務長として、これまでのお客様と各弁護士とのスムースな橋渡しができるようにお手伝いをさせていただこうと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

2009/09/01

弁護士 山口智は事務所を移転しました。

弁護士 山口智は事務所を移転しました。

2009/01/01

2008-2009 霜寒号 vol.5 白浜法律事務所報

あちこちのツリーが目を楽しませてくれる季節になりました。この度、新しい弁護士が誕生しました。当事務所唯一の女性弁護士です。新しい視点で皆様のニーズにお応えできるものと思います。ご期待下さい。なお、本号をもって年始のご挨拶に代えさせていただきます。良いお年をお迎え下さい。

 

細川弁護士をご紹介致します

弁護士 白浜徹朗

我が事務所に新しく加わってくれた細川友貴子弁護士をご紹介致します。
細川弁護士は、大阪大学から京都大学のロースクールに入学し、本年12月に司法修習を終えたばかりの新進気鋭の弁護士です。
我々弁護士は、視点が偏ってしまうと、事件を正しく把握できなくなることがあります。この点、弁護士が男ばかりとなっていた我が事務所は、女性からの視点が欠けていたところがありましたし、女性の弁護士を求めるお客様のニーズに十分に応えることができていなかったところもございます。
細川弁護士は、この点をカバーするに余りある逸材と思っておりますし、細川弁護士の加入によって、我が事務所としても男女共同参画社会の実現に少しだけ寄与したことにもなります。
なお、細川弁護士は、誰でも話しやすい気さくな雰囲気の持ち主ですし、フットワークも軽く活動的で、短期間の司法修習の中でも色々なイベントなどに顔をだし、弁護士や裁判官の中に広い交友関係を築いたという人物です。将来我が事務所を担ってくれる人材と見込んでおりますので、ご期待いただきたく存じます。

弁護士会の法律相談事業で勉強させていただいております

「所長の近況」
〜今年はファーストコンタクトを大事にしたいと思います〜
次に、所長である私の近況についてご報告させていただきます。私は、弁護士会の中で色々な仕事をさせてもらっておりますが、今は、主に法律相談センターというところの運営に関わる業務を担当しています。
法律相談は、弁護士と市民が初めて接する機会(ファーストコンタクト)ですから、弁護士の法律相談に問題があると、弁護士という職業への不信感につながったり、弁護士に頼むことができなくて泣き寝入りのようなことになってしまうような人がでたりしてしまいます。ですから、法律相談は、弁護士にとって最も大事な仕事です。このため、弁護士会では、相談の質の向上に努力しておりまして、どんな小さなことでもいいので、相談に苦情などがあればお申し出いただくように広報しております。この関係で、この2年ほどは、ほぼ毎日のように弁護士会の1階の相談事務室を訪問して、問題が生じていないか確認して、何か問題があれば事務スタッフに対応を指示することが日課となっておりました。幸いなことに、苦情は前よりは減ってきておりますので、ほっとしているような次第です。
個人的にも、弁護士会の相談事業に関わることで、法律相談ではどんなことが問題となるのか、市民の弁護士に対するニーズはどんなところにあるのかということを痛感することもあり、大いに勉強させてもらいました。私としては、この経験で得たことを、事務所の中でも生かすようにしてゆこうと思っています。
今年からは弁護士5人体制となり、所長たる私としては今まで以上に事務所全体に目を行き届かせねばならないようになります。我が事務所でご相談いただいたことで、お客様がトラブルから立ち直るきっかけとなったり、事務所から帰られるときにほっと安心できたなと思っていただけるような事務所となるように、所員一同努力する所存ですので、今後とも、よろしくお願い申し上げます。

 

 

ご挨拶

弁護士 細川友貴子

私、細川友貴子は、この度、白浜法律事務所において弁護士としての第一歩を踏み出すことになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
私は、大阪で生まれ育ち、大阪大学法学部から京都大学法科大学院を経て2008年に大阪での実務修習を修了し、京都に着任致しました。
好きなことは、食べ歩きで、これからは、京都のおいしいものをあちこち探索していく中で、京都の町になじんでいけたらと思っています。
私は、大阪大学在学中無料法律相談活動に参加していたときに、相談者に喜ばれた体験が大変印象に残り、弁護士を一生の仕事にしたいと思うようになりました。法律相談活動は、京都大学法科大学院在学中も続けており、弁護士になりたいと思う私のモチベーションとなっておりました。無料法律相談や実務修習を通じて、色々な法的問題がいかに一人一人の人生に大きく関わる問題であるかという重みも感じました。私は、弁護士になるにあたって、このことを常に心に留め置き、一つ一つの担当事件に丁寧に向き合って、全力で取り組もうと思っています。また、弁護士として、独善に陥ることなく、あくまで事件は相談にこられる方のものであるということを忘れないようにしながら、お客様の事件の解決をサポートしていきたいと思います。
ところで、私は、当事務所では唯一の法科大学院出身者であると共に、唯一の女性弁護士ということになります。事務所内で先輩弁護士とは異なった視点を投げかけて、事務所内の議論の活性に貢献できたらと思っております。
もとより未熟ではございますが、皆様のご期待に応えることができますよう、誠実に職務に励み努力を重ねる所存です。宜しく御指導、御鞭撻の程を何卒お願い申し上げます。

 

 

サッカーが大好きです

弁護士 遠山大輔

私は、サッカーを観戦するのもプレーするのも大好きです。サッカーの魅力は、個人対個人、組織対組織、そして個人対組織という多様なせめぎ合いが同時に存在することにあると思います。個人が、あるいは組織として相手の予測を上回ったとき、素晴らしいプレーが生まれます。下手なりに、そんなプレーに関われたときには、言い様のない嬉しさを感じるものですし、一流選手のプレーは見るだけで感動します。
毎年11月、弁護士、裁判官、検察官など法曹関係者のサッカー好きが都道府県別にチームを作り、全国大会を開催しています。毎年参加チームが増えており、今年は16チームがエントリーしました。弁護士人口の増加により、若くて上手な人も増え、元Jリーガーという弁護士も参加しています。私は修習生の頃から京都チームのメンバーとして参加させてもらっています(ヤングチームではなく、ベテランチーム)が、慢性的な運動不足で年々運動量は落ち、やめられないタバコのせいですぐに息が上がるといった状況で、残された選手生命はあまりないようです。ただ、今年は8月から減量をして大会に臨みましたので、昨年よりは走ることができました。
京都チームは、キャプテンの統率力の下、チームの和を大切にするのをモットーとしており、いつも楽しくプレーさせてもらっています。法曹関係者の大会とはいえ、時には激しくぶつかる場面もある中で、声を掛け合い、励まし合いながらパスをつなぐのは、非常に心地よいものです。ベテランチームの成績は、12位と振るいませんでしたが、来年に向けてさらに減量を頑張ろうと決意しました。タバコは・・・。
当事務所も、事務局を併せれば10名を超える規模となっています。個人の能力とチームワークとを合わせて、常にベストを尽くしていきたいと思います。

 

 

遺言の問題について取り組んでいます!

弁護士 山口智

先日、私は、京都市の法律相談の受付担当者の方に対しまして遺言の講義を行いました。私自身も、そのような機会を利用して遺言についての勉強をさせてもらいましたが、その過程で、遺言の作成について思うに至ったことを述べようと思います。
遺言の種類には色々ありますが、弁護士としてよく扱うのが公正証書遺言と呼ばれる遺言です。どの遺言についてもその作成方法が法律上厳格に定められておりまして、これに反した場合、原則としてその遺言は無効となりますが、公正証書遺言の場合、公証人という法律の専門家の前で作成するものなので、通常、遺言が無効となることはありません。その点で、確実に遺言を残そうと思う方は公正証書遺言を作成することが多いようです。
一般の方の意見を聞きますと、公正証書遺言の作成に関しては、弁護士は関与できず、相談しても無駄だとお考えの方が案外多いようですが、そのようなことはありません。むしろ、弁護士に相談すれば、信託銀行等ではあまり考えられていない、今後発生する可能性のある紛争を予防するための遺言作成のアドバイスも行えますし、遺言作成の場にも立ち会うこともできます。また、遺言を作成しても、法律上、遺言の内容通りに財産を受け渡すことができない場合もあります(遺留減殺請求等)ので、弁護士による内容のチェックが必要です。
弁護士会では、遺言の相談を簡単にできるようにする改革が進められています(刑事事件の当番弁護士のような制度)。私は、その委員会にも所属しておりまして、今後も遺言作成への弁護士の関与の拡充を図る弁護士会内の体制作りが進むものと思われますが、以上述べました観点から考えましても、公正証書遺言を含め、遺言の作成に弁護士が関与していくことの必要性を私自身も感じております。

 

 

裁判員裁判に向けて準備しています

弁護士 拝野厚志

1.裁判員裁判のカウントダウン
平成21年5月21日から裁判員裁判が始まります。いよいよ待ったなしとなって、各弁護士は本番さながらの模擬裁判や様々な研修に参加するなど、準備に余念が ないところです。私も京都弁護士会主催の研修を受講してきました。

2.書面から話言葉へ
裁判員裁判の一番のポイントは、主張すなわち弁護士として言うべきことを、口頭すなわちしゃべり言葉で裁判員に伝えなければならないということです。これまでの日本の裁判は書面により法律の専門家である裁判官に向かって正確に主張を伝えるものでした。しかし、裁判員裁判では法律の素人である裁判員に法廷で話言葉で弁護士の言い分を伝えなければなりません。このため、研修では、紙を読み上げることは禁止され、何も見ずにやるようにとの指導を受けました。ただし、外国の法廷ものの映画に出てくる弁護士のようにあまりにおおげさに話すのも時としてウソっぽく聞こえるというおそれもあるようです。結局は各弁護士の人となりが反映するといったところでしょうか。

3.裁判員裁判に向けて
若かりし頃、「評決」のポール・ニューマン演じる弁護士にあこがれたものです。私が、ポール・ニューマンのような弁護士を演じることができるかどうかは別として、裁判員裁判が国民の期待に応えるものになるかどうかは、弁護士を含めた法曹三者の今後の運営にかかっています。それぞれに意見はあるにせよ、せっかく導入された制度ですから、よいところを活かすような運用を創意工夫して、積極的に提言していこうと思っています。

 

時間を作る仕事

事務長 田村 彰吾

弁護士事務所の事務局という仕事は、世間一般にはあまり知られていない職業だと思います。弁護士の仕事は、映画や小説又はニュースなどで目にされる機会も多いと思うのですが、事務局は?と言われますと、なかなかイメージしにくいというのがほとんどの方ではないかなと思います。
はっきり言いますと、事務局はただ弁護士の補助を行うだけなのです。その弁護士はと言うと、実に様々なことに時間を割いています。本来、弁護士はお客様と綿密に打合せをし、聞き取った内容を書面にしたり、相手方と交渉したりすることが仕事なのですが、弁護士会の会務など公的活動に加え、普段作業に使っているパソコンの設定や営業に来られる業者さんの応対、果ては事務員の個人的な悩み相談にまで時間を割いているというのが実態です。事務局はこういった「弁護士の時間」のうち可能な部分を肩代わりしているのです。つまり表題とおり、「弁護士の時間を作る」ことが事務局の仕事なのです。
もちろん事務局も勤務と研鑽を重ねれば、裁判事務に詳しくなり、実務的な内容を裁判所や執行官と打ち合わせたりする機会も出てきますし、時には「こういう方針の方が良いのではないですか」などと提案することもありますが、基本は補助業務なわけです。
船頭多くして船山に上る、などと言いますが、弁護士に相談して、船が山に上るようではいけません。お客様のためより効率的に目的地へ向かう必要があるのです。ですから事務局は影の存在でなければなりません。そのため、私たち事務局の仕事は世間一般にはあまり知られない職業となっているのかも知れませんが、私たちは、事務局として、弁護士を支えることで、お客様へのお手伝いができればと思って、日々研鑽に務めております。