2016/01/13
68期の就職状況に現れた特徴と最近の大阪弁護士会の会員数の変動傾向
68期の就職状況の第一の特徴は、司法試験合格者数が約200人ほど減少したことに伴って、二回試験合格者数も同様に減少したことで、弁護士の一斉登録の時点で一斉登録した弁護士数も減少したことがあげられる。しかしながら、これだけの減少があったにも関わらず、二回試験合格者から裁判官や検察官になった人を控除した数に占める一斉登録者の比率は、あまり改善されておらず、65期の頃よりは若干悪い数字に留まっているようである。200名程度の司法試験合格者削減では、就職状況の大幅な改善にはならないということだけは言えそうである。
二回試験 裁判官 検察官 両者を控 一括登録 比 率
合格者 任官者 任官者 除した数 弁護士数
65期 2080 92 72 1916 1370 71.5%
66期 2034 96 82 1856 1286 69.3%
67期 1973 101 74 1798 1248 69.4%
68期 1766 91 76 1599 1131 70.7%
ところで、12月に登録するとしても20日頃になるということで、12月はほとんど1週間程度しか働けないので、1月に登録する人が増えているということがよく言われる。そこで、大阪弁護士会を分析してみたが、大阪弁護士会で1月に登録した弁護士は、1月13日現在で未だに10名のようである。すなわち、大阪弁護士会の68期の弁護士の登録番号は53170番から53430番まで断続的に連続した番号の人がいて、この53430番より大きな登録番号の会員は100番以上離れて53558番から53562番までの5人と53569番から53573番までの5人ということになっているので、1月13日時点では1月登録が10名に留まっているということがわかる。ちなみに、大阪弁護士会の会員総数は、昨年末で4335名だったが、1月13日現在では4341名と6名増加に留まっているので、1月に新規登録した人が10名だとすると、何名かは他に登録換えをしたか、退会していることになる。昨年は正確な分析をしていないので、昨年と比べて今年の1月登録の数が少ないのかどうかは正確にはわからないが、昨年末の大阪弁護士会の会員総数は4231名だったものが昨年1月6日の時点では4240名と9名増となっていたので、昨年と比較して今年の1月登録が増えているとはいえないということは確実なようである。ちなみに、昨年1月14日の大阪弁護士会の会員総数は4229名と1月6日と比較すると11名も減少するという不可解な現象が生じていた。大阪から登録換えしたり、退会する人が増えているのではないかということを推測させる数字のように思われる。
ちなみに、大阪弁護士会の昨年2015年の会員総数は、3月の初旬頃に一つのピークを迎え、4240名ほどになり、その後は、次第に漸減し、12月15日には、4197名と4200名を割り込んでいた。おそらくは他の弁護士会に登録換えしている会員が多いのではないかと推定される。一斉登録を迎えて昨年末は4335名にまで増えているが、前述したようにかなりの登録換えが1月時点でもありそうなので、今年も同様な漸減傾向が生じるのではなかろうか。