2015/08/19
弁護士人口の増加の地域的傾向の変化に関する続き2
引き続きのご報告です。
まず、前回の報告は、所属会員数の少ない弁護士会だけを取り出しておりましたが、所属会員の多い弁護士会の中でも、あまり増員がみられない弁護士会があることがわかりました。具体的には、沖縄は、2014年の弁護士白書での会員数が249名だったものが、本日(平成27年8月19日現在)段階では247名なので、2名の減員となっています。また、10名に満たない増加という観点からは、群馬も同様に264名が273名と9名しか増えていないということがわかりました。
では、増えたところは、どこかということですが、下記のとおり、数からすると、トップは東京弁護士会で、第一、第二、愛知県、大阪、横浜、福岡と大きな弁護士会が増えていることがわかりました。
弁護士人口増加地域増加数順.pdf
増加率で比べてみると、下記のとおりで、千葉がトップで、京都が2番目、以下、仙台、福岡、札幌の順となりますので、政令指定都市を有している府県の増加率が高いということがわかりました。大阪は、増加率だけで考えると、あまり増加していない地域ということになっています。このような動きがなぜ生じているのかはよくわかりません。京都の増加率が高いのは、就職支援WTの活動が活発なことに加えて、企業や大学によるインハウスの雇用増が作用しているのではないかと推察しています。
弁護士人口増加地域増加率順.pdf
なお、京都でも、実際には一斉登録時期ぐらいが増加する時期で、春から秋にかけてはほとんど増えない傾向があるということが言えますし、大阪にいたっては、春から夏にかけて弁護士人口が減っているということにもなります。この人口増加の傾向からしますと、弁護士が増加している地域の就業環境が他よりも良好とは断定できないように思います。