2015/04/19
会長のお仕事1
会長って何やっているのですかと弁護士からも聞かれることがあり、少し驚いたりすることがありました。逆に言うと、それだけ知られていないということですし、執行部と会員との関係が希薄になっているということの現れかも知れないので、会長がどんな仕事をしているのか、守秘義務に反しない限りで、少しづつ書いてゆこうと思います。
まず、そもそも弁護士会の会長は、独断専行できる存在ではありません。京都の場合は、4名の副会長がいて、理事会では会長を含めた5人の合議で方針を決定します。この理事会は、毎週1回開かれます。また、重要な事項は、月に1回開かれる常議員会という議会で審議します。弁護士会の会長声明というものが時折話題になりますが、会長声明は会長の独断で発しているのではなく、理事会の合議で文案を策定し、常議員会の審議を経てから、発表されることとなるわけです。緊急性があるときには、常議員会の事後承認を得たりするものもありますが、極めて例外的な取扱です。弁護士会が強制加入団体であることから、このような民主的な運営が行われているわけです。
逆に言いますと、このような常議員会にどのような事項を審議にあげるかというようなことを、理事者は毎日考えながら仕事をしているということになります。この他にも、委員会での審理状況、議事録なども理事者のところには届けられ、目を通すことになりますし、弁護士会の事務職員に関することなども決裁書類として報告が来ることになります。
このため、理事者の決裁書類は、毎日10センチ以上のものになります。副会長は、この決裁に加えて、弁護士法23条に基づく照会の審査や弁護士に対する市民からの苦情相談の仕事があります。これがハードなため、私が副会長の時代に、23条照会の委員会を復活してもらいましたので、不当な拒否に対する審査は委員会で行ってもらうようになっています。また、市民相談窓口は、理事者経験者も担当することになって、負担の軽減が図られています。
会長の場合、会の代表として、他の団体との関係でご招待を受けることが多かったり、寄稿を求められたりすることがありますので、挨拶文を考えることが多くなります。会員がお亡くなりになると、会を代表して弔辞を読むことになりますが、この起案も会長の仕事になります。このような挨拶も、会の代表として、あまり個人的な意見が強くですぎないようにしなければなりませんし、おかしな文章になってもいけませんから、すごく気を遣いながら書いています。