2011/01/08
弁護士白書の数字から弁護士がどこで増えているのか分析してみる その2 緩やかな増加の時代は都市部で増えていた?
では、合格者700名とか1000名という緩やかな増加が行われた時代がどうだったかということで、1990年と比較して2000年の弁護士人口が増えた増加率の高い弁護士会をみてみると、以下のとおりとなります。埼玉や千葉県、横浜、奈良、滋賀など大都市圏の近郊で増加したことがわかります。また、大阪や第一東京に加えて札幌、愛知県、仙台もトップ15に入っていますから、都市部での増加が目立っていたようです。
順位 単位会 1990年 2000年 増加率
1 埼 玉 194 283 145.88
2 千葉県 191 254 132.98
3 横 浜 509 674 132.42
4 奈 良 53 70 132.08
5 第二東京 1,552 2,043 131.64
6 三 重 51 67 131.37
7 滋 賀 32 42 131.25
8 仙 台 162 210 129.63
9 札 幌 244 315 129.10
10 愛知県 625 804 128.64
11 佐賀県 28 36 128.57
12 大 阪 1,887 2,406 127.50
13 徳 島 41 52 126.83
14 第一東京 1,598 2,022 126.53
15 岡 山 131 164 125.19
逆に、1990年と比較して2000年の弁護士人口があまり増えていない弁護士会は以下のとおりです。高知や鳥取では増加どころか減少しています。沖縄や秋田では、この時期も増えていません。他方で、2000年から2010年で増加率トップ10に入る釧路や島根県、鳥取県は、この時期にはあまり弁護士は増えていなかったことがわかります。私は、2000年以降に急増するこれらの人口過疎地域を抱える単位会では公設事務所や法律相談センターの設置による影響が大きかったのではないかと思っています。
順位 単位会 1990年 2000年 増加率
1 高 知 56 49 87.50
2 鳥取県 26 24 92.31
3 富山県 51 51 100.00
3 島根県 21 21 100.00
3 釧 路 22 22 100.00
6 沖 縄 171 178 104.09
7 秋 田 47 49 104.26
8 長崎県 64 68 106.25
9 大分県 61 65 106.56
10 長野県 112 121 108.04
※ ここでは当初のブログ記事に誤りがありました。新潟県と長野県を間違えておりました。申し訳ございません。