2021/04/20
弁護士の自主廃業は大きく減ってきている
2018年頃までは、請求退会者、つまり、自主的に弁護士を廃業する人が増えている傾向があったが、2019年から大きく減少に転じている。
すなわち、自由と正義に掲載された請求退会者の数は、2018年をピークとして、以下のように毎年大きく減ってきている。
2018年 382名
2019年 339名
2020年 250名
このうち、登録番号2万未満の人の請求退会につき、2019年と2020年を比較すると、以下のとおり、若干増えてはいる。ただ、以下に示すように、この区分以外では、請求退会者は大きく減少している。なお、2018年までは、登録番号を1万と3万で区切っていたので、2018年のデータは2万と4万での区切りでは集計できていないため、示すことができない。以下は、同じ理由で、2018年のデータは示せない。
2019年 55名
2020年 64名
登録番号2万から4万未満の人の請求退会は、以下のとおりであり、大きく減少している。
2019年 84名
2020年 54名
登録番号4万以上の人の請求退会は、以下のとおりであり、その減少は顕著である。
2019年 200名
2020年 132名
ちなみに、1月から4月までの集計を比較すると、以下のとおりとなる。なお、2020年は、コロナ禍における日弁連業務の縮小のため、自由と正義が5月と6月が発行されていないので、4月までの数値でしか比較はできない。4月までの2020年の請求退会者総数が99名だったものが、2021年は82名に留まっていることからすると、2021年は、年間200名程度(2020年の年間総数は250名)に留まる可能性も生じている。
登録番号2万未満の人
2019年 13名
2020年 34名
2021年 23名
登録番号2万から4万未満の人
2019年 29名
2020年 21名
2021年 21名
登録番号4万以上の人
2019年 55名
2020年 44名
2021年 38名
登録番号4万以上の人は、母数が毎年増えているので、ここで減少傾向があることは、大きく減少しているということを示していることになる。全体としての母数も増えているので、全体としての請求退会者が減少しているのであれば、減少傾向があることは間違いないということになる。登録番号4万以上の人は若い人が多いことは間違いないので、就職難という時代が過ぎ去ろうとしていることを示すデータということになるように思われる。