2012/05/01
これからの日弁連に考えてほしいこと
長い選挙戦の末にようやく会長が決まりましたが、今後の日弁連の活動が、これまでの2年間の全否定というようなことにならないことを切に願っています。
修習生の給費制の維持の問題については、全国各地に一生懸命活動されている会員がおられますし、ビニナーズネットなど支援の輪も広がっています。何よりも、実際に貸与制が始まったことにより、その問題点も浮き彫りになってきています。そのつらさを実際に耳にしている会員は私だけではなく全国各地に沢山います。修習生の中では、就職難との二重苦に伴って、将来に対する希望をなくしている人がかなりの数となっていますし、修習生を通じた口コミによる法曹志望者の減少の動きは既に始まっています。有能な法曹が確保できなくなるということも現実的な問題となっているのです。この運動を停止したり、実際上、休止させるようなことは、絶対にやめてほしいと思います。運動に携わってきた人の中で広がりつつある不安感を新会長が払拭されることが求められていると思います。
法曹人口の問題も、この2年間の間で、激増に伴う問題点について日弁連の中で議論する場ができて、そのことについて運動してきた人が日弁連の運動に関わることができるようになりつつあったことは、積極的に評価されるべきだと思います。若手の不安感に対して、日弁連執行部は全く理解しようとしない敵のような存在であるというような評価が広まって、日弁連の中に世代間の亀裂が走るようなことにならないよう、この問題に関しては、排除の論理ではなく、不安感を吸い上げて、日弁連の活動に反映されるようにしていただきたいと思います。
色々な意味で重大な転機を迎えつつある中、選挙の相手方陣営を排除するのではなく、むしろ、逆に政策として取り入れていただきたいし、人的資材も受け容れて活動する場を与えていただき、日弁連が一体となって、これらの課題に取り組むことができるような方針を掲げていただきたいと思います。