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2015 初春号 vol.11 白浜法律事務所報

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2015 初春号 vol.11 白浜法律事務所報

平成27年の年頭にあたり

弁護士 白浜徹朗

旧年中は、大変お世話になりました。また、今年も、弁護士及び事務職員一同日々精進して参りますので、事務所所長として、ご挨拶申し上げます。

さて、昨年度は、大杉光城弁護士を迎えたことで、多少停滞感のあった事務処理がかなりスムースに進むようになり、当事務所が掲げている充実したリーガルサービスの提供という目標には少し近づくことができたように思います。
前回の事務所報でも、お知らせしましたように、当事務所としては、同種事件の集中配転による専門分野の醸成に務めています。遠山弁護士は、刑事事件では全国的に著名な弁護士です。拝野弁護士は後見事件では京都弁護士会でも中心的役割を果たしています。里内弁護士は家事事件と交通事故事件を数多く扱っています。青野弁護士は、交通事故関連の案件と労働事件を数多く取り扱っています。大杉弁護士も、私と一緒に建築関係訴訟を数多く扱っています。私は、債権回収と倒産処理や建築関係の事件を数多く扱っておりましたが、最近は、遺言処理と通行権問題に関わることが増えてきました。
まず、当事務所での遺言書に絡んだ事件処理状況について、ご紹介致します。最近、当事務所では、遺言書を取り扱うことが増えてきております。日本が高齢化社会となってきているため、全国的にも遺言書を作成される事例は増えているようです。そのような中、当事務所としては、遺言や養子縁組など遺産処理をめぐる訴訟案件などに関わった経験を生かして、将来の紛争を防止できるような複雑な内容の遺言書を作成することもありますし、何よりも後日遺言書の有効性が争われるようなことにならないようにするためのノウハウなども考案して実践も積み重ねております。税理士さんとの協働も進めておりますので、相続税にも配慮した処理もご提案し、遺言に反映するなどしております。遺言に関するブログも始めています。このため、お陰様で、遺言に関わることに関しましては、他府県からも問い合わせが来るようになってきております。ありがたいことだと思っております。
また、最近、私は、通行権をめぐる案件に関わることが多くなっています。京都は古い街ですが古いが故に長年使われている私道も多く、建築基準法第42条2項道路をめぐる紛争が数多くあるようですし、分譲土地をめぐっての通行地役権の設定に関わる紛争も多いようです。この通行権の問題は、建物が建築できない土地が発生することもあって、重大な利害対立を生じる難しい問題です。特に上記の2項道路については、一般の道路と同じような考えを持っておられる方も多いようですが、最高裁の考えは、通行をしている人には反射的利益があるに過ぎないというもので、通行の制限が多少できる場合があるとされていますので、注意が必要です。
ところで、私白浜は、今年、弁護士としては28年目に入り、弁護士会の仕事に関わることが多くなりました。昨年同様、今年も、法曹養成の問題など、弁護士会の抱える様々な問題の解決に尽力することになるものと思いますが、皆様にご迷惑をかけることのないよう、私自身も本業にがんばりますし、後進も育ててゆく所存ですので、今年もよろしくお願い申し上げます。

 

囲碁を学び、囲碁に学ぶ

弁護士 遠山大輔

2年前から囲碁を始めました。サッカーを引退するにあたり、新たに長く続けられる趣味をと考えてのことです。幼いころは将棋が好きで、囲碁には興味が持てませんでした。しかし、いまでは将棋より囲碁です。たとえは悪いですが、将棋盤が世界戦争なら、碁盤は宇宙戦争です。碁盤には無限の広がりを感じます。
囲碁は、19本×19本の線の交点(361個)に黒石と白石を交互に置き、最終的な陣地の広さを争います。黒石を持つ人(黒番)が先攻です。先攻が有利なので、ハンデとして6.5個分の陣地が白石を持つ人(白番)にプラスされます(なので、黒番は7個多く陣地を確保しないと負けです)。基本的なルールは5つほどしかないのですが、単純であるが故に奥が深いのです。
意外に思われるかもしれませんが、囲碁で大事なのはバランス感覚です。「私はここを陣地にするから、そっちはあなたにあげます」「私はここを陣地にするから、あなたは厚み(攻撃に使える強力な石の一団)を作ってね」という姿勢が大事なのです。「全部自分の陣地にしよう」「陣地も厚みも欲しい」などと強欲なことを思っていると、決して勝てません。あるプロは、このバランス感覚の必要性を伝えるため、「囲碁は心をきれいにするゲームだ」と言いました。名言だと思います。

もちろん、戦略も重要です。戦いを始めるには周到な準備が必要ですし、相手の考えていることを読んで、裏をかかなければいけません。無茶をしたら必ずとられますし、かといって慎重すぎると陣地が狭くなります。根拠となる陣地を確保しながら、自分の石が分断されないように石を進めなければ行けません。ときには必殺技が決まることもあります。置く場所が1つズレただけで形勢が逆転します。常に全体を見ながら部分を気にしなければいけません。大変です。
戦略の中でも難しく、バランス感覚よりも身につけにくいのは、「石を捨てる」という発想です。盤面の石の価値は同じではありません。ときには自分の石を捨てて(オトリにして)別の場所でのプラスをめざす必要があります。自分の石が相手にとられるとき、涼しい顔で「とらせたのだ」と思うのは…なかなかに難しい…。
この高度な戦略性は、訴訟にもきっと役立つ、はずです。少しずつ上達をめざします。

 

医療過誤訴訟について

弁護士 拝野厚志

1.当事務所の白浜所長と私が京都医療過誤弁護団という患者側の医療過誤訴訟に取り組む研究会に所属していることから、当事務所では医療過誤訴訟にも力を入れてきました。
医療過誤訴訟では患者側には「証拠の壁」と「専門的知識の壁」という二つの大きな壁があると言われております。これらの壁のために弁護士が訴訟に要する労力も相当なものになり、医療過誤訴訟を敬遠する弁護士が多いのも現実です。しかし、私は思うところあって医療過誤訴訟にも積極的に取り組んでおります。
2.まず壁の一つである「証拠の壁」とは、カルテ等の必要な資料の収集の際の障害を意味します。医療過誤訴訟では訴える患者側においてどのような過失(過ち)があったのかを明らかにして訴えなければなりません。カルテ等を入手し分析して、どうしてそのような結果が生じたのか、そこでなすべき処置は何だったのかを明らかにすることが必要となります。かつては医療機関側がカルテの開示を拒んだり改ざんすることがあったようですが、先人の努力と情報開示の流れから、現在では患者側が申請すればカルテの写しが取得できるのが通常です。
とは言っても、故意でなくても一部しか写しが交付されていなかったり、時には改ざんがなされるおそれもあります。このため、証拠保全によりカルテの保全を図ることが必要になる場合もあります。
3.「専門的知識の壁」とは専門的な情報へのアクセスの格差を意味します。
医療機関の過ちを特定するには事実経過の医学的な解明が必要となり、医学的知識が不可欠となります。このような知識については我々法律家には専門外のこととなりますので、事案に即して勉強し、また、医師らに意見を聞いたり、医療文献を調査したりして、事実経過を分析していくことになります。
医療機関側は医療機関の医師から丁寧なレクチャーを受けることが期待できます。これに対し、患者側の戦いは必要な医事論文や協力いただける専門医を探すことから始まります。
私自身もできる限り研究会に出席するなどして、最先端の知識を吸収するように努めています。また、学生時代の友人など、協力をお願いできる複数の医師に意見を仰いで事案の解明を進めていくことになります。
時には期待される調査結果とならない場合もありますが、そのような場合でも依頼者に調査結果をきちんと伝えるようにしております。患者側にとっては何よりも真実を知りたいという思いがあると考えるからです。
4.この度、医療法で定められた医療事故調査制度にも期待したいところです。しかし、上記制度は調査の対象を医療機関が「医療事故」と報告した事案に限っており、片手落ちの制度と言わざるを得ません。また、運用次第では形式だけの調査を行い、実のないものになる可能性があります。
患者側にとっては、真実を知ることを含めて訴訟という手段に頼らざるを得ない状況は続くように思われます。私も患者側弁護士として医療過誤訴訟に取り組んでいくとともに、今後も2つの壁を乗り越えるために日々刻々、進歩する医療について知識を深め、研鑽を積んでいきたいと考えております。

面会交流について

弁護士 里内 友貴子

弁護士登録から7年目となりました。昨年は、特に多数の面会交流事件に取り組みました。面会交流とは、離婚後又は別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うことです。
面会交流に関しては、平成24年4月より面会交流が明記された改正民法766条が施行されて子の利益を最優先すべきことが明文化され、平成25年3月28日には重要な3つの最高裁決定がなされる等実務が急速に動いています。
それなりの事情があって別居・離婚に至った父母において、お互い話し合って面会交流を進めることは、現実問題として決して簡単なことではありません。当事者同士で協議ができないときには家庭裁判所へ面会交流調停を申し立てることとなりますが、面会交流調停申立は平成15年の4203件から平成24年には9954件と約2.4倍に急増しています。また、調停で合意が成立しなければ、審判に移行することが大多数ですが、審判事件も同様急増しています。いかに当事者間での協議・調整が難しい問題であることを表しているといえるでしょう。
解決には、第三者による面会交流支援が要請されます。実際に行われる面会交流における直接的支援、それから父母に対し、将来、如何にして適切な面会交流が実現するかについて必要な情報を提供しアドバイスする支援が肝要です。現在、家庭裁判所では主として当事者助言用のDVDや絵本を活用する取組が行われています。ただ、紛争性の高い事件等ではその教育的効果には一定の限界があるようです。また、行政では、前述の民法改正を受けて厚生労働省が、面会交流支援事業を母子家庭等就業・自立支援センターの事業の一部として位置づけました。一部の地域のセンターでは支援が開始していますが、ようやくその需要を認知し始めたという段階であり、その実施地域も支援内容も不十分です。さらに、民間による面会交流支援としては、その中心的なものとして公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)があります。当職も実際にFPIC大阪ファミリー相談室を訪問してその支援状況を視察しましたが、物的人的資源の不足が課題となっていました。このように裁判所、行政、民間それぞれにおいて面会交流支援の気運の高まりはみられるものの、現在行われている支援は未だ不十分と言わざるを得ませんし、実際現場においてもそのように実感します。
そもそも面会交流の主役は子ども自身であり、その面会が子どもの福祉と成長に資するものであるかについて、子どもを中心に据えて個別に検討していくべきことが原則です。離別した父母間の感情的対立や高葛藤によってその原則が歪まされるべきではありません。そのために、当職としては、依頼者の方には必要十分な情報・法的アドバイスを提供し、適宜法的手続きを執っていくことはもちろんのこと、これまでの経験を活かしながら、必要があれば個別に実際の面会交流にも立ち会い、また相手方当事者と積極的に面談の機会を設けて事情聴取をする等して各事件個々の背景事情を丁寧に検証し、柔軟な対応・多角的な調整を行うよう心がけ、また面会交流事件特有の障害の除去に努めるようにしています。
今年も一つ一つの事件に真摯に取り組む所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

「家族信託」にも力を入れていきます!

弁護士 青野 理俊

1.家族信託とは
海外ドラマなどでは、相続にからむ場面で、信託という言葉が日常会話に出てくることがあります。この信託は「ファミリートラスト」と呼ばれ、日本語では「家族信託」と訳されます。
「信託」という言葉を聞くと、信託銀行などを連想し、家族関係には関わりない事柄だと思われるかもしれません。しかし、先ほどの家族信託は、誰にも関わりうる身近な制度であり、工夫しだいで極めて有用な制度です。
日本で家族信託が活用できるようになったのは、90年前に制定された信託法が、平成19年9月に改正されてからのことです。
その後、様々な試行錯誤を経て、本人やその家族の生活に必要な支援を行い、さらには大事な財産を確実に大切な人に引き継ぐという目的のため、実務において家族信託の活用が始まっています。
2.「家族信託」の1つ ~遺言代用信託~
活用例として、まず、相続や遺言に代わる信託(遺言代用信託)が挙げられます。
自分の財産を大切な家族に遺したい、あるいは、自分の事業を信頼おける人に確実に承継させたい、といった場面は、誰にもあり得ることです。実務的には遺言の作成が一つの対応策ですが、家族信託を活用することで、より柔軟な仕組みにすることができます。
例えば、遺言では次の世代への承継までしか定められませんが、信託を活用することで次のさらに次の世代への承継方法まで定めることが可能です。また、遺言では課税時点がその人が亡くなられる時点となり、その時の税制がどうなっているか分からないという不安がありますが、信託を活用すれば、減税対策を施しつつ課税時点を現時点として税額をはっきりさせることができます。
3.「家族信託」の1つ ~後見代用信託~
活用例として、他にも、後見制度を補いあるいは一部代替する信託(後見代用信託)が挙げられます。
もしかしたら、ご家族あるいは身近な方で、自身の財産を管理していくには不安があるといった方や、常に自分の財産から財産的支援が続けられる仕組みが必要な方がいらっしゃるかもしれません。実務的には成年後見制度あるいは任意後見制度を利用することが一つの対応策ですが、これらの制度では元手となる財産については硬直的に管理することができません。しかし、家族信託を利用することで、元手となる財産を安全に運用して増やしつつそこから支援を続けるといった柔軟な仕組みに設定することができます。
4.結びに代えて
まだまだ浸透しているとは言いがたい家族信託ですが、当職は既に活用例があります。これからも力を入れていきたいと思いますので、お気軽にご相談ください。

 

この1年で見えてきたこと

弁護士 大杉 光城

1.はじめに
弁護士2年目になりました。1年目は、初めての法律実務ということもあり、頭では分かっていても戸惑うことが多かったのですが、皆様に支えていただきまして、大過もなく一つひとつ遣り甲斐をもって執務にあたることができました。この場を借りまして、改めてお礼申し上げます。

2.問題の根本的原因を見抜く
1年間全力で執務にあたりまして強く感じたことは、「解決すべき事柄は目の前の1つだけではない」ということです。たとえば、ある刑事事件で、その根本的な原因は知的障害にあり、その障害に対して福祉のケアが行き届いていなかったというケースがありました。このような方の場合、目の前の事件を解決するのみならず、障害年金や療育手帳の取得、場合によっては生活保護の受給など、福祉につなげることこそが、その方の抱える問題を解決することになるのだと思います。このように、目の前の事件だけにとらわれず、依頼者の皆様がお困りになっている「根本的原因」を的確に見抜き、その点を含めて解決することで、ご満足いただけるように努めて参りたいと思います。
もっとも、相談内容からは直接分からない「根本的原因」を的確に見抜くためには、幅広い専門的知識が必要になります。上記ケースでいいますと、何らかの障害があると気付けたとしても、障害年金等の知識がなければ、適切なアドバイスができないことになります。
そのため、私も幅広い専門的知識を取得するように常に心掛けておりまして、新しい事案にあたる度に、法律以外の書籍も含めましてその分野の専門書等を購入し、勉強するようにしています。

3.福祉の重要性
また、私がこの1年で特に興味を持った分野は、上記の例と同じく「福祉(社会保障)」でした。現在、日本では様々な福祉制度が整備されており、病気やけが、老齢、障害、失業などといった私達の日常生活上の困難に対し、必要な援助が受けられることになっています。
しかし、上述したケースのように、如何に素晴らしい制度も適切に利用されなければ意味がありません。この1年、上記のような障害の絡む刑事事件をはじめ、高齢者介護の絡む相続事件、失業の絡む労働事件など、福祉が関係する事件を多く担当し、福祉分野に精通することの重要性を痛感しました。福祉制度は紛争を未然に防ぐ役割もありますし、事件を事後的に検証する際にもその専門的知識が必要となりますので、依頼者の皆様によりご満足いただくため、この分野の研鑽には力を入れていこうと考えています。

4.おわりに
ご依頼内容の解決はもちろん、福祉制度の紹介など付加的な部分も含めまして、皆様のご期待にお応えできますよう全力で頑張ります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

顔の責任

事務長 田村 彰吾

前回の事務所報で「高校時代の同窓会をやります」と書いてから1年が経ちました。果たして、卒業生500名と当時の先生100名の合計600名に通知を出し、昨年8月には先生9名を含む100名の出席者で同窓会を開催することができました。開催にあたっては、当所の取引先、関係者を含めたくさんの方からご協力を賜りました。この場を借りてお礼申し上げます。
同窓会に出席して周りを見てみると、まだまだ40歳を超えたばかりですが、実にいろいろな人生があったのだろうと思います。ヤケに目つきが鋭くなっている者や、高校時代は少々尖っていたのに穏やかな風貌になっている者、若く見える人、老けて見える人、若作りの人などなど、とても2時間程では語り尽くせない過去が見え隠れしていて、また次の同窓会が楽しみになりました。かく言う私もずいぶん額が広くなっていますので、他の人にどのように評されているか分からないところですが…。
「40を過ぎたら自分の顔に責任を持て」などと言います。これは40歳にもなったら親から受け継いだ顔かたちよりも自身の内面(人となりや考え方)が顔に顕れる、ということらしいです。実際、見た目の変化は遺伝的要素などもあり、どうしようもない部分もありますが、中身(表情や風貌)については自己研鑽である程度コントロールできると思います。私自身、これまでも時間や予算を工面して、できる限り研修に励んできましたが、結婚し、子供が生まれると、どうしても自分自身に掛けられる時間や予算が限定的になりがちです。
そこで、子供を寝かしつけた後の1時間、お昼休みの30分など細切れの時間を見つけては、スマートフォンやタブレットで本を読むようにしてみました。電子書籍は、本を持ち歩かなくても、いつでも読めることに加えて、頻繁に半額セールや日替わりセールを実施しており、書店で購入するより安価に入手できることがあります。また、部屋に本が山積しないという大きなメリットもあります。これで、時間、予算は元より部屋を散らかして妻に小言を言われる心配もなく、本を読めるようになりました。
年の暮れに数えてみましたところ、昨年は1年間で約50冊を読んでいました。世相を反映してか、そのほとんどがビジネス・経済書であったため少々顔つきが険しくなっているかも知れません。今年はもう少し穏やかになれる書籍も読んでみたいと思います。

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