【白浜法律事務所報】京都で弁護士・法律相談ならお任せください。

弁護士法人 白浜法律事務所

0752233444
0752233444

白浜法律事務所報

2013 初春号 vol.9 白浜法律事務所報

バックナンバーはこちら

2013 初春号 vol.9 白浜法律事務所報

平成25年の年頭にあたり

弁護士 白浜徹朗

昨年度より、京都弁護士会では、司法修習委員会の委員長を拝命して、若手法曹の育成のお手伝いをさせていただいております。私自身が司法修習生相手に法律実務の講義をしたり、起案と呼ばれる宿題のようなものをみたりするなどもしておりまして、自分自身の法的知識の見直しをするいい機会もいただいております。ただ、正直言いますと、弁護士会が司法修習生をお預かりする期間は2か月に過ぎませんから、この2か月で一人前の弁護士に育てるということは難しいというのが実情です。他方で、就職難は年々ひどくなる一方で、せっかく司法試験に合格したのに、正常な就職ができるのは奇跡に近いという事態に陥っていますので、実務に就いた後の現場での訓練(OJTと言います。)が不十分なままに、仕事を請け負うような弁護士も増えてきているように感じております。弁護士を利用される方にとってみれば、全くもって迷惑千万な話です。実際、私の事務所でも、おかしな訴訟を受けたということで、ご相談に来られる方が増えているように思います。
このようなことが「司法改革」が目指したものなのかということには甚だ疑問がありますが、結果的に、利用者の皆様が厳しい目で弁護士事務所を選ばざるを得ない時代が到来してきているように思います。幸いなことに、当事務所では、お客様からの苦情などもなく、ご満足いただけた方が多いようで、お客様から紹介を受けたとして来所される方も増えております。ただ、所長としては、この現状に満足することなく、更なる研鑽や事務処理の迅速化を図る必要があると考えております。
なお、長岡支部もおかげさまで3年となりますが、長岡京市や向日市の各市長様を初めとして、地域の皆様との接点も増えて参りました。京都府南西部の弁護士空白を埋めるという当事務所の果たす役割も一層重要なものとなると自覚しております。
今後ともより一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

舞鶴高1女子殺害事件無罪判決
~裁判所は警察・検察のアンフェアを許さなかった!

弁護士 遠山大輔

2012年12月12日(水)、大阪高等裁判所で無罪判決をいただきました。「一審判決を破棄する。被告人は無罪。」という主文を聞いたときは、思わず両拳を握りしめてしまいました。検察官が死刑求刑をする中での無罪判決でしたから、これまでの2件の無罪判決とは違い、高揚感はあまり続かず、安心感が心を占めました。そしてすぐに、釈放される被告人の住居をどうやって確保しようかという悩みに支配されました。
この事件の捜査、公判前整理手続、公判、報道には多数の問題点があるのですが、客観証拠に関連して2点、供述証拠に関連して1点コメントしたいと思います。
まず、客観証拠に関していうと、大西秀憲弁護士(舞鶴)と、当事務所で勤務していた藤居弘之弁護士(網野)に感謝せざるを得ません。別件逮捕段階で行われた被告人宅の家宅捜索にお2人が立ち会ってビデオ撮影をしてくれました。これによって、捜査機関は、物証を被告人宅にわざと残すことができなくなりました。過去のえん罪事件、あるいはえん罪とされる事件では、捜査機関があとから物証をねつ造しています(最近でも、報告書をねつ造した事件がありました。)。これを阻止した点は、非常に大きな意味がありました。
次に、防犯ビデオの画像鑑定という客観証拠についてです。防犯ビデオの画像に映った自転車を押す人物(報道で見られた方も多いと思います。)と、被告人とが同一人物だと鑑定した専門家がいました。しかし、防犯ビデオの画像は非常に粗いもので、人物の特徴が判別できるものではありませんでした。結局この鑑定は、「印象を述べるものにすぎない」として一審判決の段階で証拠から排除されています。この専門家の鑑定がなかったら、被告人は起訴はおろか、逮捕すらされなかったかも知れません(この鑑定は、起訴当時は検察官によって「立証の柱」と位置付けられていました。)。過去のえん罪事件でも、数々の専門家がデータを改ざんし、写真を拡大し、独自の理論を振りかざして、捜査機関に都合のいい鑑定を提出してきました。専門家による客観証拠のねつ造は、大きなえん罪の原因となります。もはや、「良心なき専門家は、刑事手続に関わらないでいただきたい」と強く思います。
最後に、供述証拠についてです。違法・不当な取調べによって得られた虚偽自白も、えん罪の大きな原因となります。また、目撃者の供述が、勘違いや思い込み、捜査機関の誘導、あるいは意図によってねじ曲げられる場合も、えん罪が起こりえます。本件では、被告人は自白はしていませんが、被害者の遺留品について自ら供述したとされていました。この供述から、被告人は被害者の持ち物を知っていた、それは犯人だからだ、と一審判決は推認しました。有罪判決の大きな根拠としたのです。しかしながら、この供述証拠は、取調官の示唆と誘導によって、被害者の遺留品に合致するように作成されたものだったのです。実際、遺留品に合致しないものは調書に書かれず、合致するものだけが調書に書かれていきました。目撃者の供述も、事情聴取を繰り返すうちに、被告人に合致しない特徴は消えていき、被告人に合致する特徴が強調される、というように移り変わっていきました。両方とも、作成される経過が非常に不透明で、アンフェアと評価できるものだったのです。高裁判決は、この両方について信用できないと判断しました。捜査機関によって密室で作り上げたられた供述にNo!を突き付けたのです。
市民が裁判員として刑事裁判に関わる今、裁判所によって模範となる判断が示されたと感じています。この無罪判決が確定するまで、さらに頑張っていきたいと思います。

 

 

なぜか落語にはまっています

弁護士 拝野厚志

1.古典落語にハマっています。
つい先日まで「落語」など見向きもしておりませんでした。
大学時代、ゼミの自己紹介で、司法試験にさっさと合格したT君が「落語が好きで、講義が落語そのもののM先生のゼミに入りました」と言っているを聞いて、「落語が好きって若いのに変な奴やなあ」と思っていたくらいでした。その後もテレビで落語をやっていても別のチャンネルに変え、落語をネタにした「タイガー&ドラゴン」は面白く見ておりましたが、落語そのものにハマることはありませんでした。ところが、つい半年ほど前にひょんなことから古今亭志ん朝師匠の落語(「厩火事」)を聞く機会があり(もちろん映像でですが)、古典落語の世界に引き込まれてしまいました。
やはり物事には時期やタイミングというものがあるようです。それなりの年齢を重ねて私も落語に描かれた人情や機微に共感できるようになったということでしょうか。以来、古典落語にすっかりハマってしまいました。
2.松喬師匠にハマっています。
現在、夢中になっているのは、笑福亭松喬師匠です。笑福亭松鶴師匠の弟子にあたる方で、上方落語の第一人者です。テレビや新聞でご存じの方も多いかもしれませんが、松喬師匠は現在、抗ガン剤による治療を受けながら、高座にあがっておられます。
しかし、高座では病気をネタにこそすれ、苦労は微塵も感じさせず、客席はご病気のことですら、爆笑に次ぐ爆笑に包まれます。
寄席に行ったこともありませんでしたが、師匠の高座が聴きたくて、寄席にも行ってきました。生で見る寄席の面白さは格別です。至近距離で演者の息づかいまで聞こえ、テレビのような編集もなく、何事も現場に勝るものはないと変に納得してしまいました。
私には芸について語れるような蘊蓄はありませんが、古典落語を十分楽しむことができます。一度、聞いてみてください。寄席にも足を運んでみてください。元気になること請け合いです。そして、松喬師匠、これからも素晴らしい高座をきかせてください。

 

 

交通事故の損害賠償額

弁護士 里内 友貴子

弁護士になって5年目となりました。昨年より、日弁連交通事故相談センター京都支部の示談あっせん担当弁護士として活動しています。また、これまでも交通事故案件の代理人を多数担当してきました。車社会の発展に伴い、交通事故は、ごく普通に日常生活を過ごしている中でも巻き込まれる可能性のある事件です。そこで、万が一の時に備えて、以下のことを知っておいていただければと思います。
交通事故の損害賠償には算定基準が大きく3つ、それぞれ賠償額の低い順から自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所基準があります。同じ事故でも適用される基準によって、被害者が受け取る損害賠償額が異なるということです。
交通事故発生後、損害賠償に関する示談交渉が始まります。その中で、加害者は任意保険に加入していて示談交渉をその任意保険会社に一任するケースが多いわけですが、一任された任意保険会社は被害者に対して、任意保険基準で算出した損害賠償額を提示しますから、その提示額は裁判所基準に比べると通常低くなります。この点、示談交渉中、任意保険会社としては支払う損害賠償額を抑えるために裁判所基準に言及しないこともあり、被害者が裁判所基準自体を知らないまま、任意保険基準の損害賠償額で示談成立に至るというケースが散見されています。
しかし、裁判所基準は、過去の判例等を集積した結果ですから、訴訟に至れば被害者は裁判所基準が適用された損害賠償額を受け取ることになりますし、訴訟に至る前の示談交渉の段階でも訴訟を見据えた交渉を行うことで裁判所基準に近い損害賠償額で示談が成立することもあります。
同じ事故について複数の基準があること自体、奇異なように思いますが、このような実情を知っておいていただき、不幸にも交通事故に遭われた際には、一度ご相談いただければと思います。なお、ご自身やご家族が加入されている保険で弁護士費用特約が利用できる場合は、保険で弁護士費用がカバーできますので、是非お確かめ下さい。
最後になりましたが、昨年、フジテレビのドラマ「リーガル・ハイ」の取材を受け、同ホームページ内「リアル!黛真知子を探せ!?現役女性弁護士が想うこと・・」のコーナーNO.19に小職が紹介されました。ご笑覧いただければ幸いです。

 

 

委員会活動として法教育に力を入れています

弁護士 青野 理俊

1.委員会活動について
弁護士法の第1条には、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」と規定されています。
そこで、各弁護士は、依頼を受けている事件を誠実に職務を遂行する傍ら、弁護士会に設置されている様々な委員会に所属し、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力すべく、活動しています。
2.法教育委員会の活動平成20年3月、文部科学省の新学習指導要領の中に、「法教育」が正式に加えられました。法教育とは、子ども達に、現実社会の中で考える力、生きる力をはぐくむ重要な教育です。そこで、京都弁護士会にも法教育委員会が設置され、できるだけ多くの子ども達に、法の理念、法の意義、基本的人権の価値などを授業で伝えるべく、日々研鑽を積んでいるところです。
私も、法教育に携わるべく、法教育委員会に所属し、数多くの中学、高校で講義を行い、教員の先生方と法教育について研究会を開催したりしています。
3.高校生模擬裁判選手権の開催
平成24年での法教育活動の中で特に印象が強かったのが、高校生模擬裁判選手権です。
この大会は、一つの事件を素材に、法律実務家の支援を受けながら、参加各校が検察チームと弁護チームを組織し、高校生自身の発想で争点を発見・整理し、模擬法廷で冒頭陳述、尋問、論告弁論を行うというものです。
京都府で参加したのは京都教育大学附属高等学校と立命館宇治高等学校で、2校とも第1回から参加し続け、ここ数年1位2位を争っている強豪校です。私は、そのうち立命館宇治の支援をすることになりました。
今年の題材は特に面白いものでした。起訴罪名は傷害。被告人はとある看護大学に通う女の子で、被害者は被告人に恋心を抱く青年。被告人が彼氏と上手くいっていないと相談を受けていた被害者は、連絡が取れなくなった被告人を心配して被告人のもとを訪れる。ちょうど彼氏の部屋にいた被告人は、唐突にやってきた被害者を外へ連れ出すが、口論の末、被害者を突き飛ばして重傷を負わせてしまう。ここまでは争いがないものの、被告人は、被害者から首を絞められたとして正当防衛を主張する・・・
この題材を見て、高校生には難しい事件ではと思われるかも知れません。しかし、高校生を侮ってはいけません。「他人に相談するとき、女性は共感を、男性は解決を求めるもの。今回の事件は、その二つの考え方の違いが生んだ悲しい事件なのではないか。」と高校生が見事に分析をし、この視点で弁論を行った立命館宇治高校が優勝しました。
4.結び
法教育は、子ども達に、現実社会の中で考える力、生きる力をはぐくむ重要な教育です。これからも、事件を誠実に職務を遂行する傍ら、法教育活動に邁進していきたいと思います。

 

 

第2のセーフティーネット

事務長 田村 彰吾

不景気と言われるようになってもうずいぶん経ちますが、景気が持ち直す気配はありません。当所でも、そういった不景気に飲み込まれた会社の倒産処理を担当することもしばしばあり、特に最近は、従業員に給料も払えずに倒産してしまうケースも散見されます。
ところで、倒産による急な解雇などで生活が急変した際、十分な蓄えがなく、給与が貰えないとき、あなたはどうしますか。安易に消費者金融など高利の融資を受けてしまうと、ただでさえ収入の目処が立たないのに重い金利負担に苦しむことになります。
倒産手続では労働者健康福祉機構が未払の給与や退職金の一部を立替て支払ってくれますが、支給までに3か月から半年程度は掛かります。また失業保険も、本来なら待機期間もほとんどなく支給されますが、そもそも雇用保険に加入していない場合や、加入していても離職票の発行が円滑に行われない場合もあり、なかなか思うように行きません。生活保護は、判断が非常に厳しく、相談してもなかなか親身に相談に乗って貰えないこともあるようです。では、どうすれば当面の生活費を確保できるのでしょうか。
実は、住所地を管理する社会福祉協議会や市町村などが生活支援事業を行っています。社会福祉協議会では原則無利子での貸付事業を、市町村は住宅資金の援助(給付)を行っています。いずれも厚生労働省が設けた制度で、就職意欲があるなど生活の再建を前提とした支援制度ですが、早ければ1か月程度でまとまった生活資金を融通してくれますので、急に職を失うなどしたときには非常に有効な制度だと思います。
なお、これらの申込窓口は社会福祉協議会や市町村の各窓口ですが、意外にもハローワークにも資料が常備され、相談に乗ってくれます。いずれも就職意欲のある離職者を対象としているため、必要とする人の目に触れ易い施設ではあると思いますが余り知られていないようです。
もしもの際には補助的なセーフティネットとしてこういった制度があることも覚えておいてください。

白浜法律事務所報バックナンバー